江戸時代の町並みを残す橿原市の今井町。
寺内町として栄えた今井町の中心的存在が称念寺です。
今井町は称念寺の境内地にあり、その栄華を伝える建物が今も境内に残ります。普段は今井町を訪れても、称念寺の境内に入ることはなかったのですが、『今井町並み散歩』というイベント期間中だったため、一度中を見学してみることに致しました。
称念寺山門と太鼓楼。
称念寺太鼓楼は平成6年に橿原市指定文化財に登録されています。
称念寺庫裏で催された『書と拓本の出会い展』
毎年5月になると、今井町並み散歩というイベントが開かれます。
町かどアート展にはじまり、重文民家や伝統的建造物の内部公開が実施されます。昔の商いの再興を願った「今井町衆市」、茶人・今井宗久を偲ぶ「大和今井の茶粥」、「茶行列」、「称念寺茶席」、さらにはフリーマーケットの今井六斎市と楽しい催し物が目白押しです。
称念寺庫裏の『書と拓本の出会い展』。
本堂南側にある庫裏・客殿・対面所も、平成10年に市指定文化財になっています。
山門前には、「明治天皇今井行在所」と刻まれた石碑が建っています。
門の右手向こうには、只今工事中の本堂が見えます。
工事中とあって、残念ながらその偉容をうかがうことは出来なかったのですが、称念寺本堂は重要文化財に指定される建築物です。江戸時代初期に再建されていたようなのですが、傷みが激しかったために再度テコ入れがされているようです。
拓本もいいものですね。
こうやって掛軸にされると、一層その重みが増すというものです。
欄間の×印が二重になっていますね。
実際に出向いたのが二カ月前のためちょっと忘れてしまいましたが、おそらく奥の上段の間が少し高くなっていたのではないかと思います。バツ印は多分、二つの空間を分ける結界を意味しているのでしょう。
飛鳥川に架かる赤い蘇武橋を渡ると、もうそこはタイムスリップした世界です。
明治10年(1877)の2月には、明治天皇がお泊りになられたという称念寺。
天皇の行幸先に選ばれるほどのお寺だったのですね。
今井町を訪れたなら、是非とも足を運んでおきたい場所です。