春の大神祭『後宴能』@大神神社斎庭

毎年4月に執り行われる大神神社の『春の大神祭(おおみわまつり)』。

馬が練り歩く若宮神幸祭を終えた翌日、4月10日の正午から斎庭特設舞台にて能や狂言が神前に奉納されます。祈祷殿前にはステージが設けられ、演者の奉納が延々三時間も続きます。

春の大神祭後宴能

大神神社の後宴能(ごえんのう)。

四方には注連縄と紙垂で結界が張られていました。

舞台脇にはパイプ椅子が並べられ、多くの参拝客が見入っています。日本の伝統芸能である能を鑑賞する機会は滅多にありません。長年三輪山麓に住まいながら、後宴能を観るのは初めてでした。

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世阿弥元清の能『三輪』

能や狂言にはあまり詳しくないのですが、とにかく触れてみる。

そのことが一番大切なことのように思えます。

「後宴能番組」と題する冊子には大まかな流れが案内されていました。素謡(金春流)『翁』、狂言(大蔵流)『福之神』、能(観世流)『三輪』、能(金剛流)『車僧』と演目が続きます。午後3時半頃からは御供まきも行われるようです。

春の大神祭

大神神社二の鳥居前。

菊花紋の提灯がハレの日を伝えます。

後宴能

当日はよく晴れていて、後宴能日和でした。

雨天の際は大礼記念館で催されるようですが、やはり開放的な屋外がいいですよね。

本日正午後宴能

手水舎横に案内看板が立っていました。

大神神社の後宴能は拝観無料です。これは嬉しい!

大神神社の神紋

祈祷殿前へと向かいます。

大神神社の御神紋である三本杉が出迎えてくれました。

後宴能

もう既に始まっています。

私が訪れたのは14時前後だったでしょうか。

休憩時間の合間を縫って訪れたため、どの演目が上演されているのかすら不明です(笑)

後宴能

鼓を手にする演者が、扇子を手にする演者を囃します。

つい先日まで祈祷殿前の桜も満開でしたが、この日は既に葉桜でした。今年の桜は例年になく駆け足で、大美和の杜展望台の桜ですらかなり散っていました。

大神神社斎庭

まだ大勢の方々が観覧中です。

大神神社は芸能の守護神とも言われます。

酒の神様、薬の神様、縁結びの神様と様々なご利益が語られる神社ですが、芸能に関しても特筆すべきものがあります。

能の「三輪」は三輪明神をテーマにしています。かの世阿弥元清の作と伝えられ、能の大家との結び付きを感じます。世阿弥の足跡を辿れば、世阿弥の修行地・補巌寺を思い出します。三輪山の近くで修行していた世阿弥。大神神社の次期造営において能楽堂が建設されますが、益々能との縁が深まりますね。

後宴能

大神神社の後宴能は毎年4月10日に行われます。

曜日は関係ありません。

平日だろうと土日だろうと、とにかく4月10日に決まって執り行われます。

後宴能の提灯

後宴能開催日である4月10日は、昭和34年には今上陛下(当時皇太子殿下)のご成婚日に当たりました。

大神神社でも奉祝の意を表し、祝賀新曲「東天紅」が奉納されたようです。

大神神社の神職

天皇とも縁の深い大神神社。

国道沿いの大鳥居も、昭和天皇の御親拝を記念して建てられています。

後宴能

繰り返される言葉に、ゆっくりとした足取り。

せわしい日常生活から解き離れた空間がそこにはあります。

大神神社能舞台

うん?

これはお寺などでよく目にする五色幕でしょうか。

大神神社能舞台

当館にご宿泊頂いたお客様に教えて頂いたのですが、本来能は屋外で演じるもののようです。

そういえば、宇陀市の阿紀神社で催される「あきの螢能」も、蛍が闇に放たれて見る者を魅了します。開放的な空間が本来の姿なのかもしれません。

後宴能の演者

よくぞ晴れてくれました。

ほんの10分ほどの間でしたが、十分に楽しませて頂きました。

大神神社の神紋

三本杉に別れを告げて・・・

仕事場へとトンボ返りです。

お茶席の扇子

特設舞台の脇には、お茶席が設けられていました。

石原社中によるお茶席奉仕があったようです。

春の大神祭

時代衣装を身に纏ったお練りもおすすめですが、最終日の後宴能もいいですね。

例年であれば花見も楽しめる時期だと思われます。

お時間のある方は是非、正午12時からの後宴能に足を運んでみて下さい。