宮滝遺跡の発掘成果が学べる吉野歴史資料館。
資料館前には古代吉野の森林が再現され、野生のシカが糞を落としていました。いかにも吉野らしく好感が持てる資料館です。令和5年度の今は、平日が休館日になっているようです。開館日を事前にチェックしておきましょう。
吉野歴史資料館。
ウッド調の吉野らしい資料館ですね。
宮滝遺跡は長い歴史の中で、異なる年代ごとの遺跡が発見されています。縄文時代から弥生、飛鳥、奈良時代を通して様々な発掘成果が展示されています。
吉野宮跡、吉野離宮跡を見下ろす吉野歴史資料館
吉野歴史資料館は国道169号線から少し北へ入った場所にあります。
高台にある資料館で、吉野宮跡や吉野離宮跡、史跡指定地を見下ろす位置取りです。資料館の手前には、善生寺や十二社神社がありました。
二階建てのようです。
窓がたくさん付いており、開放的ですね。
資料館の駐車場から上がって行きます。
デマンドバスも走っているようです。車を降り、緩やかな坂道を登ります。
こちらは宮滝遺跡の大型建物跡。
今は埋め戻され、小石と赤いテープで場所が示されていました。
吉野歴史資料館前に立つ道標。
ここから大型建物跡への距離は350mと出ています。国道169号をはさみ、南の吉野川沿いに遺跡があります。
吉野歴史資料館と鹿の糞。
この辺りまで下りて来ているようですね。鹿の糞と言えば、吉野川がΩカーブを描く国栖の景勝地でも見ました。自然に満ちたこのエリアでは、珍しいことではないのでしょう。
吉野川に架かる柴橋。
橋の下には巨大な岩が数多く見られます。かつては二百文を貰って、岩から飛び込む見世物もあったようです。一種のショーなわけですが、その名も「二百文岩(にひゃくもんがん)」と言います。
そんな場所に程近い吉野歴史資料館。
宮滝遺跡の周辺図が案内されています。
吉野川の向こう岸には、医薬の神・桜木神社も見られます。吉野宮跡と吉野離宮跡が重なっていますね。宮滝エリアは、古来より権力者の愛した地であることがうかがえます。
吉野離宮にまつわる出土遺物、さらには復元図なども展示されています。
芝生に埋もれる鹿の糞。
鹿が居るということは、おそらく猪の往来もあるのでしょう。国栖の里で地元の方に聞きましたが、比較的鹿は日中でも姿を現すことがあるようです。その一方でイノシシは暗闇を好むのだとか。
ここに水が流れるのでしょうか。
ちょっとした“庭園”に整備されています。
吉野の自然
吉野の山々は縄文時代や弥生時代になると、ドングリやクリなどの木の実が豊富にみのり、シカやイノシシなどの動物が生息する森林になりました。当時の人々にとって、こうした自然環境は吉野川とともに大切な生活の場でした。
ここでは、その時代の森林をイメージした木々を植えています。
吉野川対岸の象山(きさやま)。
万葉集にも詠われた山ですね。飛鳥の万葉文化館で、象山の風景画を見たことを思い出します。象徴的に描かれた日本画で印象に残っています。桜木神社のある喜佐谷(きさだに)という地名も、象山と深い関わりがあります。
墓石ですね。
資料館前に無造作に置かれていました。
鹿が歩く姿を見てみたいものです。
奈良公園で見慣れているとはいえ、やはりそこは違います。吉野川沿いで見るシカは、「真の野生鹿」と言えるでしょう。
吉野歴史資料館に建つ万葉歌碑。
かはづ鳴く吉野の川の滝の上(うえ)のあしびの花そはしに置くなゆめ
自然豊かな場所ですから、万葉人も魅了されたはずです。宮滝エリアには多くの万葉歌碑がありました。日常の些事から離れ、この地で歌心を磨くのもおすすめです。