桜井市箸中の馬塚古墳を見学して来ました。
以前から気にはなっていたのですが、行き方が判然とせずそのままになっていました。今回、巻野内石塚古墳の見学帰りに集落の中をさまよって見つけました。一つ注意事項ですが、馬塚古墳を近くで見学する際は、土地所有の民家の方に一声お声掛け下さい。
馬塚古墳の横穴式石室。
なんだか石舞台古墳のミニチュア版を見ているようです。
民家のお母様にお伺いすると、どうやら石室の天井石に当たる部分のようです。昭和25年に発掘調査が行われ、石室内には石棺も安置されていました。石室を覆う封土は既に荒らされ、墳形は今も不明のままです。
石棺底の基礎工事!馬塚古墳のアクセスルート
この辺りの小字名は「南浦」のようです。
破壊寸前で発掘された古墳ですが、出土遺物の多さには目を見張ります。
須恵器高坏や馬具破片、長頸台付壺、鹿角装刀片、棗玉4点・小玉269点、鉄鏃・石突・鉄槍破片などの鉄製品が出土しています。
お母様の許可を得て、背後に回り込みます。
この下に埋葬施設があったのかと思うと、古代ロマンがこみ上げます。
石棺の底石は3枚構成だったようです。
底石の周囲には切り込みがあり、側石をはめ込むための組合式石棺だったと考えられます。棺底からさらに30cm下に、人頭大の自然石が無造作に置かれていました。自然石の上には粘土、そして重ねるように砂利も敷き詰められていました。きちんとした基礎工事の上に、石室が築かれていたことをうかがわせます。
南方遠くから馬塚古墳を見ます。
民家の裏庭といった感じの場所に、大きな石材が剥き出しになっています。直感でアレだなと思いました。場所はホケノ山古墳の南、織田小学校の北東に当たります。
JR踏切と三輪山。
織田小学校の正門前から背後へ回り込み、北東方向へ抜けます。やがて右手に見えてくるのが、JR万葉まほろば線の踏切です。
JR芝第一踏切と言うようです。
線路を越えて、東へ進みます。
東方に三輪山を望むエリアです。
左手に民家が見えていますが、その手前を左折します。
この細い道を真っ直ぐ行くと、左手に馬塚古墳があります。
周辺には民家が迫っていますので、くれぐれも見学の際はマナーを守るようにしましょう。
あっ、見えてきました。
築造年代は6世紀後半とのことです。たくさん古墳の造られた時期ですよね。
折り重なるように二つの巨石が寄り添います。
すぐ手前は民家の畑で、常に周辺整備には気を配られているようです。
南へ向きます。
こうして普通に、古墳が存在する桜井市箸中。箸中といえば、卑弥呼伝説の箸墓古墳を思い浮かべるのですが、その裾野の広さを改めて感じます。
遠目からなら構いませんが、近寄る際には必ず許可を得て下さい。
桜井市は横穴式石室の宝庫で、石室の中に入れる古墳もたくさんあります。石室インこそ出来ませんが、集落の中の古墳を見るのもいいものです。
ちなみに、こちらからのアクセスも可能です。
國津神社から南へ下るルートですね。ここからだと、JRの線路は右側の西方を走っています。電信柱のポイントを左へ曲がります。
ここです。
このコーナーを東へ進みます。
桜井市箸中の馬塚古墳は、石室の天井石に見応えがあります。墳丘が楽しめる茶ノ木塚や小川塚、サシコマ古墳とはまた違った魅力ですね。