徳融寺から望む生駒山

生駒山の風景。

大和国中(やまとくんなか)から様々な表情を見せてくれる山ですが、奈良市内の徳融寺境内からもその姿が見られます。奈良盆地に暮らしていると、矢田丘陵の向こうに生駒山脈の連なりが見えます。生駒山の向こうは大阪ですから、自然のままの境界線ですね。

徳融寺から望む生駒山

徳融寺境内から望む生駒山。

山麓の往馬大社や山頂の遊園地で知られます。決して美しい山容とは言えませんが、古来より大和の人々に愛されてきた山ではないでしょうか。

中将姫親子の供養塔!融通念仏宗の徳融寺
奈良市鳴川町に徳融寺(とくゆうじ)というお寺があります。 「奈良市音声館」の南に位置する融通念仏宗のお寺です。元は元興寺の塔頭で、今より北方にあったようです。ちょうどこの辺りには徳融寺をはじめ、誕生寺、高林寺(こうりんじ)などの中将姫...

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小説家佐藤愛子の『女優万里子』の一節

徳融寺は融通念仏宗のお寺です。

大阪平野に大本山のある宗派ですが、大阪や奈良にその信仰は根付いています。

境内の墓地へ通じる門前に、大阪市生まれの小説家・佐藤愛子の著作「女優万里子」の一節が掲げられていました。朱色の門がよく映えます。

徳融寺から望む生駒山・暗峠

徳融寺から望む生駒山。

案内板によれば、”生駒山脈は亀の背のような形に膨らみ、やや右寄りでちょっと窪んで次の膨らみがはじまっている” と記されます。その窪みが暗峠(くらがりとうげ)のようです。果たしてどの辺りだろうか・・・目を凝らして推測します。

徳融寺山門

常夜燈を配した徳融寺の山門。

奈良市鳴川町にある中将姫伝説のお寺です。

佐藤愛子「女優万里子」の一節

佐藤愛子『女優万里子』の一節が案内されていました。

シナはヌイを背負っては陰陽町の坂を上り、徳融寺の境内に立って、遠く西の方に広がる田畑の向こうの生駒山脈の連なりを眺めた。

生駒山脈は亀の背のような形に膨らみ、やや右寄りでちょっと窪んで次の膨らみがはじまっている。

その窪みがくらがり峠だと北村忠四郎が最初の日に教えてくれたことをここへ来るたびにシナは思い出した。くらがり峠は大阪と奈良を結ぶ道である。
昔、汽車が通わぬ頃は、人はみなこの峠を越えて行き来したのである。   佐藤愛子「女優万里子」より

くらがり峠は急坂で名を馳せます。

国道ならぬ「酷道」としても人気があり、コアな観光スポットにもなっています。

生駒山脈や暗峠の借景が楽しめる徳融寺。お寺の拝観のみならず、色んな楽しみ方があることを教えてくれました。