格式の高さを表す筋塀(すじべい)。
寺院拝観でよく目にする築地塀の白線ですが、平行に五本のラインが入っていると最上級にランク付けされるようです。通常は皇室との関わりを示しますが、直接由緒を持たない寺院にも見ることができます。
興福寺の筋塀。
五重塔手前の築地塀に、5本の白線がありました。
筋塀の別名を定規筋(じょうぎすじ)と言い、真っ直ぐ引かれたラインに規律を感じます。
皇室由来!寺の格式を表す水平線
実はこの定規筋、私の住まう三輪でも見ることができます。
三輪公園と三輪坐恵比須神社の間の築地塀に、五本の水平線が引かれています。当初は何の気なしに見ていたのですが、そんなに格式あるものだとは思いもしませんでした。三輪公園にはかつての郡役所があったようですが、”身近な筋塀”として気になる存在です。
近々、興福寺五重塔にも修繕が施されるようです。
後世に残していくためには、定期的な修理も必要になるのでしょう。
皇室ゆかりのお寺といえば、京都の泉涌寺が真っ先に思い浮かびます。歴代天皇の陵が境内奥にあり、独特な雰囲気を醸しています。泉涌寺にも定規筋は見られるようで、格式の高さをうかがわせます。
門跡寺院へ行けば、定規筋を発見する確率も高くなるのではないでしょうか。
もちろん、4本線や3本線も存在するようです。
お寺を拝観する際には、気を付けながらチェックするのも面白いと思います。築地塀にもお寺の「格」が隠されている。これもまた、新しい発見ですね。