本居宣長も訪れたという川原寺。
飛鳥四大寺にも名を連ね、天武天皇の病気平癒祈願法会も盛んに行われたと言います。向かいの橘寺に比べ影の薄い川原寺ですが、かつての寺勢はなかなかのものだったようです。川原寺跡の東に社叢があり、その中に龍神社が祀られていました。
川原寺跡から望む橘寺。
橘寺の後方には仏頭山が控えています。
豊玉比売命を祀るリュウレンサン
明日香村の龍神社は、明治42年(1909)に板蓋神社に併合されています。
川原寺跡の北西裏山にある板蓋神社は、斉明天皇ゆかりのお社です。現在は八幡神を祀りますが、その摂社が龍神社とされます。
龍神社の春日造社殿。
川原寺跡(弘福寺)の右手前に位置します。
周囲には玉垣も無く、杜の中にごく自然な形で祀られています。石燈籠には「安永二巳年九月吉辰」の銘があります。
石燈籠の竿に「龍神社」と刻みます。
龍と言うからには雨乞いだろうと調べてみると、確かに雨乞い祈願が行われていたようです。すぐ傍を流れる飛鳥川の水を汲み、小祠に掛けて降雨を祈願したと伝えます。
笠の反り返る燈籠。
毎年9月15日には、般若心経の祭典が行われているようです。
龍神社周辺の地図。
赤く現在地が示され、龍神社のある場所はそこから少し西側です。飛鳥宮跡の南西方向に当たります。龍神社から西にはミステリーストーンの亀石が案内されています。
飛鳥亀石の伝説
明日香村の亀石。国指定史跡の亀石をご案内致します。民家の脇にひっそりと佇む亀石。橘寺と天武・持統天皇綾の中間点辺りに亀石はあります。
謎を呼ぶ亀石ですが、川原寺の境界を表す標石とも言われます。
地図を改めて見ると、かつて繁栄した川原寺の跡がうかがえますね。板蓋神社のさらに北方には、川原寺の工房跡も発見されています。
アザミですね。
飛鳥の田園風景ではよく見かけます。
龍神社の鎮座地ですが、普段は気にも留めずにスルーしてしまうような場所です。じっくりと周ってみると色々な発見がありそうです。