知恩院勢至堂の右奥に影向石(ようごうせき)があります。
“影向”という言葉で、奈良春日大社の「影向の松」を思い出します。神様が降臨する場所で、周到に清められたイメージがあります。
知恩院の影向石。
玉垣に囲まれ、表面が苔むしていました。
知恩院阿弥陀堂!丈六御本尊と三門の意味
国宝の知恩院御影堂。その向かって左側に、1910(明治43)再建の阿弥陀堂があります。阿弥陀堂には知恩院の御本尊・阿弥陀如来坐像が安置されています。知恩院阿弥陀堂。桜の季節になると、華やかにお堂が彩られます。知恩院の境内は広く、実に甲子園球...
紫雲立つ!法然上人の御臨終
知恩院の影向石ですが、法然上人御廟の崖下にあります。
法然上人が最期を迎えた時、吉兆の紫雲が立ち込め、賀茂大明神がこの石に降臨したと伝わります。
法然上人像を収める御影堂。
境内の中段にある御影堂から一段高い“上段”に影向石はあります。
与板大仏の仏頭。
影向石のある上段では、新潟県から運ばれた与板大仏の仏頭も見学できます。
そのほとんどが地中に埋まっているのでしょうか。
知恩院の影向石は、磐座と呼ぶには心もとない印象ですね。
法然上人の本地身・勢至菩薩像を祀る勢至堂から右手に紫雲水があります。法然上人の入滅時に紫雲が立ち込めたと言います。紫雲は阿弥陀如来が乗る雲で、めでたい瑞雲とされます。阿弥陀来迎時に、賀茂大明神が降臨したという伝説・・・多くの人々に影響を与えた法然上人の死は、まさしく驚天動地の出来事だったのかもしれません。
知恩院御影堂の亀。
大扉の落し金に取り付けられた亀は、木造建築を守るおまじないです。
知恩院宝仏殿。
御影堂と向き合う格好で佇みます。
華頂山(かちょうざん)。
国宝三門の扁額にも見られる「華頂山」は、知恩院の正式名称である『華頂山知恩教院大谷寺』を表しています。