長岳寺に於いて大地獄絵が開帳されています。
年中行事として毎年仏画展(10/23~11/30)が催されており、その中の目玉企画として大地獄絵開帳があります。
長岳寺の大地獄絵。
撮影OKということでしたので、フラッシュを焚かずに撮影させて頂きました。
地獄絵の絵解き説法!生き生きと描かれる三途の川、十王裁判図
長岳寺の大地獄絵は江戸時代初期に描かれました。
狩野山楽の筆による貴重な文化財です。9幅から構成されており、全法量は縦4m、横11mに及びます。
長岳寺の本堂へ入ると、真正面に阿弥陀三尊像が坐しておられます。
右の方へ目をやると、壁際に大地獄絵が掲げられていました。
三途の川、八大地獄、餓鬼・畜生・修羅道、十王裁判図などが画面いっぱいに描かれています。人間バーベキューかと思われるような、生々しいタッチの絵も描かれていました。
長岳寺本堂。
長岳寺は高野山真言宗のお寺。
関西花の寺第十九番霊場、大和十三佛第四番霊場にもなっています。
山の辺の道の駐車場にもなっている天理市トレイルセンターに車を停めて、いざ長岳寺へ向かいます。
大地獄絵開帳の立看板ですね。
背景に写っているのは長岳寺の駐車場です。
重要文化財の鐘楼門。
日本最古の鐘楼門とされます。
弘法大師創建当初の唯一の建物・・・上層に鐘を吊った遺構があるので鐘楼門と言われます。
鐘楼門の中から上を見上げます。
お寺の門をくぐる時、下からのアングルで写真に収めるのが習慣になって参りました。東大寺南大門のそれとは全く違った趣が感じられます。
鐘楼門をくぐると、右手に放生池と紅葉の風景が広がります。
大地獄絵開帳のシーズンは紅葉の時期とも重なりますので、観光客にとっては一度に二度の楽しみが味わえますね。
重要文化財の旧地蔵院。
室町時代の書院造りの様式を残しており、同時代の美しい庭園もあります。
写真左手の建物は旧地蔵院本堂(延命殿)で、普賢延命菩薩を本尊としています。美しいい桃山風の持仏堂です。旧地蔵院の玄関口で、長寿のお守りとして六文銭の貼り紙を見かけました。六文銭といえば、三途の川の渡し賃ですよね。
人は死後、どのような道を辿るのか・・・
長岳寺の大地獄絵にそのヒントの一端を見るような気が致します。2022年3月に開村した『なら歴史芸術文化村』で、地獄絵の詳細なタッチを鑑賞しました。精緻な筆使いも含め、是非ご参照下さい。
長岳寺へのアクセスは、JR柳本駅より徒歩20分。JR・近鉄桜井駅、天理駅よりバス上長岡下車徒歩10分となっています。
当館大正楼からはお車で約10分のアクセスです。