阿弥陀三尊をご本尊とする長岳寺。
極楽往生を説くには、その全体像である六道思想を知らしめる必要があったのでしょう。祭礼や法要の後に説かれたであろう長岳寺の地獄絵。本物ではありませんが、詳細に描かれた大パノラマを見学することが出来ました。
長岳寺地獄絵の一場面。
なら歴史芸術文化村の文化財修復・展示棟の地階において、長岳寺の呼び物が展示されていました。
地獄、餓鬼、畜生、阿修羅!閻魔の嘆き
大和平野を眼下に収める高台。
風光明媚な場所に「なら歴史芸術文化村」はあります。
開村に向けて練られた構想・・・その発端はパリ郊外の芸術家村にあるようです。アンドレ・マルローというフランスの文化相がパリ郊外に造成した『ヴィラージュダルティスト』という芸術家在住の村にヒントを得ています。
芸術文化体験棟のオープンエアー廊下。
南方には幾坂池が広がり、眺めのいい場所です。
池の向こうには親里競技場があり、天理高校野球部の規律正しい掛け声が木霊します。瑞々しい青春時代を思い出す瞬間ですね。
手と足を縛られ、何を飲まされているのでしょう。
血の池地獄の“血”でしょうか?
六角形の意匠。
建物のあちこちで、この亀甲型のデザインを目にしました。
蓮の葉の上に首!
かなり近くに寄って鑑賞することができます。
見事なタッチで描かれていますね。
なら歴史芸術文化村の開村に当たり、スタッフとして100人規模の採用が行われたようです。
その内の7割が天理市民とのことで、地元愛を感じさせるいいお話です。やはりその土地に住む人がお出迎えするのが一番です。いくらプロフェッショナルなおもてなし訓練を経たとしても、地元民にはかないません。歴史も文化も芸術も、最終的には人が繋いでいくことを忘れてはなりません。
なら歴史芸術文化村ができたことにより、山の辺の道エリアが益々盛り上がっていくことを願います。