桜井市小夫(おおぶ)にある天神社。
不思議な磐座が幾つも見られ、境内の巨木・ケヤキと共に見所の一つとなっています。
斎宮山の麓に鎮座する天神社は、太陽信仰とも結び付く元伊勢伝承地の一つです。山中にあるため行く機会が無かったのですが、笠蕎麦の花を見に行ったついでに立ち寄ってみました。
小夫天神社の烏帽子石(えぼしいし)。
確かに烏帽子のような形をしていますね。
江ノ島の烏帽子岩ではありませんが、烏帽子を思わせる岩は各地に見られます。奈良県内でも、石上神宮の末社・神田神社に烏帽子岩が祀られています。果たして小夫天神社の烏帽子石の意味するところは?先がちょこんと曲がり、興味をそそられるミステリーストーンですね。
弘法大師直筆の鳥居額束
烏帽子石は一之鳥居の下にありました。
朱塗りの玉垣の中に、丁重に祀られています。真上から見下ろすような格好で拝ませて頂きました。
小夫天神社の一之鳥居。
竿に「天神社」と刻まれた石燈籠の奥に建ちます。
その向こうに赤い玉垣が見えていますが、あれが冒頭の烏帽子石です。
鳥居の額束。
「天神宮」と書かれています。
この文字がなんと、弘法大師空海によるものだとか! なんとも由緒正しい額束ですね。
天神社の社号標。
一之鳥居からさらに上手へ登って行った所にあります。
斎宮山の麓に南面する形で鎮座しています。
再び烏帽子石。
何を意味する磐座なのか?
近くに案内板がありましたが、詳細は不明です。
社伝 鳥居の額 烏帽子石の由来
馬場先一の鳥居額面に天神宮と記載されし事は、弘法大師の直筆なりと言い伝う。また、内庭の柵内の石は俗に烏帽子石と言う。一名 天子と言い伝える。 天神社社務所
「天子」なのですね。
純真無垢なその響きに、烏帽子石の由来を想います。
上手へと続く参道。
行く手に見える緑の杜が斎宮山のようです。
うん?
これはひょっとして猿石か!?
小夫天神社の手水舎近くにポツンと置かれていました。
そのフォルムは、まるで飛鳥の猿石を思わせます。欽明天皇陵の近くで見た猿石にそっくりです。そういえば、飛鳥坐神社の境内にも猿石がありましたが、よく似たものがあちこちに存在しているのかもしれませんね。
小夫天神社の手水舎。
石段を上がった左手にありました。
このすぐ近くには、樹齢1,500年の槻の大木がそびえています。
あまり知られていませんが、小夫天神社は奈良県内有数のパワースポットです。桜井市内観光の一つとしてオススメ致します。