日本語の「無料サービス」を英語に翻訳すると、free of charge となります。
顔見知りの店長の居るレストランなどへ行くと、よく店員が「この一皿は店長からのサービスです」などと言って、追加で給仕されるお料理があります。給仕された側は、有難いサービスだなと嬉しくなります。このように私たち日本人は、サービスという言葉自体に無料という概念を併せ持っています。
夕闇迫る興福寺五重塔。
古都奈良を訪れる外国人観光客も増えて参りました。当館も数多くの外国人観光客の方々にご利用頂いています。
先日もスイス人のお客様との会話の中で、free of charge という言葉が出て参りました。私たちはつい、無料サービスのことを service,service と表現してしまいがちなのですが、正しい英語は free of charge であることを再確認しておきたいと思います。
間違えやすい和製英語
日常生活の中で何気なく使っている英語らしきカタカナ語(笑)
そのまま使ってしまうと、外国人観光客の方に通じないことがよくありますので注意が必要です。
charge という言葉には、荷物や重荷といった意味が含まれています。あるいは重い罪に対して、告訴したり告発したりすることを charge と表現します。つまり、そういった重荷から開放された状態を free of charge と言うのです。充電することをチャージと表現しますが、何かを詰め込んで満たす動作が共通していますよね。
「大神神社の結婚披露宴会場」としてご利用頂いている大正楼の大広間。
当館の大広間は会場使用料が無料です。昨今は大神神社の結婚式においても、国際結婚のカップルが見受けられるようになって参りました。会場の下見見学の際には、free of charge のフレーズが使えそうですね。
JR奈良駅前の一時荷物預かり所。
Left Luggage の立看板に、営業時間(Business Hours)9:00~19:00 料金1個410円と案内されています。こちらは free of charge というわけではないようです。
明日香村稲渕の案山子ロード。
間違えやすい和製英語はその他にもたくさんあります。
たまに頼まれることがあるのですが、モーニングコールは英語で wake-up call と言います。
昔大ヒットしたワムの楽曲に Wake me up before you go go ♪ という歌詞がありましたが、あのヒット曲のお蔭で耳に残っている人も多いのではないでしょうか。
ケータイ・スマホ社会になってからというもの、客室のコンセントはお客様の充電待機で占められるようになりました。電気のコンセントも consent では通用しません。electrical outlet, あるいは単純に outlet と表現します。
費用対効果を意味するコスパも市民権を得た言葉になりましたが、外国人観光客には通用しません。
コストパフォーマンスを意味する英語は、単純に value で事足ります。
会話の中でちょっと使うと格好いい響きを持っていますが、コストパフォーマンスは和製英語であることを覚えておきましょう。free of charge から始まって、様々なことを考えさせられるいい機会になりました。