お風呂の改修に当り、脱衣場も一新致しました。
脱衣場の天井には網代(あじろ)紋様をあしらいます。
網代とは檜などの薄板を互い違いに組んだ紋様で、垣根や天井などに使われます。縦横斜めに編み出し、幾何学的な美しいデザインで知られます。
桧風呂の脱衣場。
天井のデザインが網代(あじろ)です。
象牙色の壁には、日本古来の市松紋様が浮かび上がります。
伝統文様の桧垣紋
そもそも網代という言葉は、”網の代わり”を意味しています。
竹や木で編んだ魚獲具を「網代」と言い、普段の生活にも使われていました。網代に編んだ団扇を「網代団扇」、竹の網代で作った笠を「網代笠」などと言います。網代は桧垣(ひがき)とも称され、染織の地紋にも用いられていました。
大正楼の国産桧風呂。
浴室の寸法に合わせた特注サイズの浴槽です。浴室内には檜の香りが立ち込めます。
香り高い大正楼桧風呂!リラックス浴室
随所に国産桧を使った浴室。 念願の桧風呂が完成しました。 湯冷めしにくい上、その香りは心を落ち着かせて疲労回復の効果もあると言います。温泉ではなく沸かし湯タイプですが、十分に疲れを癒して頂けるのではないでしょうか。 出来立てほやほやの国産桧...
脱衣場の洗面台。
ゆったりサイズの引き出しが二つ付いています。
見事に組まれていますね。
一定のリズムで繰り返す伝統文様を見ていると、なぜか心が安らぎます。
脱衣場から透ける「花喰鳥(はなくいどり)」。
正倉院に伝わる花喰鳥は、東大寺ミュージアムの玄関口にも飾られています。真冬の奈良盆地は底冷えがしますので、今回は床暖房設備も採り入れました。
美しい網代紋様。
一部の客室の床天井にも網代紋様が見られますが、日本古来のデザインを踏襲し、新たなものにもどんどん組み入れていきたいですね。