ノスタルジックな昭和型板ガラス。
既に生産を終了しており、その希少性にスポットライトが当たります。
昭和の時代には当たり前のように見られた型板ガラスですが、昨今では珍しくなりました。大正時代創業の大正楼館内にも、様々な種類の型板ガラスが残っています。
昭和型板ガラス「ハイウェイ」。
高速道路をイメージしたデザインのようです。
渦巻模様の四方を縦横無尽に巡るラインは、どこへでも行けるハイウェイを思わせます。
時代を反映!旭硝子株式会社のレトロガラス
型板ガラス「ハイウェイ」の製造元は旭硝子株式会社です。
このデザインは1967年以降に見られ、2mm厚さと4mm厚さの二種類があります。
昭和40年代以降、本格的に進められた日本の高速道路建設。1968年(昭和43年)には東名高速道路の部分開通が始まっています。さらに2年後の1970年には大阪万博が開催されました。
時代にリンクするように登場したハイウェイの意匠。
上昇気流に乗る日本経済そのままに、自由闊達で大柄なデザインが目を引きます。
バブル崩壊以降、明るい話題の少ない日本経済ですが、いい時もあれば悪い時もあります。地球規模で”限界値”に近づきつつある今の世の中を思えば、その時に応じた処し方が求められているような気もします。
型板ガラスに刻まれた笹。
型板ガラスって面白いですね。日本古来の植物模様もあれば、ハイウェイのように産業モチーフのものもあります。
型板ガラスにも時代が反映されていることを知り、益々興味が湧いて参りました。
ヴィンテージ感がありますね。
熟成されたワインの価値を表す”ヴィンテージ”という言葉ですが、ファッションの世界でも使われています。年を経て味わいを深めるという意味では、建築資材なども対象になりうるのではないでしょうか。
型板ガラスの『ハイウェイ』は、裏庭へ出る引戸に使われています。