長いリボンがクルクル駆け巡るような模様。
型板ガラス『なると』は、1965年に製造された4mm厚さのデザイン硝子です。
料理旅館大正楼二階の「香久の間」に見られます。
昭和型板ガラス「なると」。
鳴門の渦潮が名前の由来になっているのでしょう。
製造元は旭硝子で、希少在庫であることに変わりはありません。
昭和型板ガラス『笹』レトロなデザイン
今はもう廃盤となった昭和型板ガラス。 レトロな趣に魅入る人も多いと聞きます。大正楼館内にも様々な種類の型板硝子が残り、ノスタルジックな雰囲気を醸しています。 昭和型板ガラス「笹」。 客室「御笠」の引戸に施されています。 日本の夏を連想させる...
防火設備用!ワイヤー入りの網入りガラス
デザイン硝子の「なると」は、香久の間の南側にあります。
反対の北側にも窓ガラスが嵌め込まれ、また少し趣の違うものが用意されています。
客室北側の網入りガラス。
ワイヤー(金網)を封入しています。
ガラスの表面には凹凸もあり、よく見ると亀甲形が連続していますね。張り巡らされたワイヤーには、火災時のガラスの飛散を防止する役割があるようです。二階の窓ガラスに使用されることが多いのも頷けます。
ワイヤーが菱形に組まれたものを菱形ワイヤー、もしくはヒシワイヤーと言います。方形に組まれたものはクロスワイヤーと呼ぶようです。
披露宴会場(大広間)のミニ酒樽。
当館の大広間も二階にありますが、客室「香久の間」とはつながっていません。香久の間は大広間とは別に、独立した構造になっています。
南に面しているだけに、さんさんと太陽光が降り注ぎます。
型板ガラスの向こうが透けて見え、とても明るい雰囲気に包まれます。自由奔放に駆け巡る”なると模様”がこの場所に合っていますよね。
菱形ワイヤーでガラスが飛び散るのを防ぎます。
網入りガラスは延焼の恐れがある部位に取り付けられます。香久のお部屋は館内の隅っこに位置し、隣家と近い場所にあります。おそらく施工の段階から、ワイヤー入りのガラスを入れることが決まっていたのでしょう。
本当に型板ガラスって種類が豊富ですね。
昭和レトロを思い起こさせてくれるデザイン硝子は見ていて飽きません。