今年もお正月のおせち料理に巻物料理を幾つか作ってみました。
巻物料理は形が丸いというだけで、縁起の良さを感じさせます。神社などで目にする勾玉にも、永遠への願いが込められています。くるっと丸まることによって、そこには底知れぬパワーが宿るのかもしれません。
緑大豆の如意巻。
節目の日に皆で会食するおせち料理。久しぶりに親族一同が顔を合わせる機会でもあります。お互いの健康や成長を喜び合い、今年一年の幸せを願います。そんな席に巻物料理があるだけで、場が華やぐものなのかもしれません。意の如くに願いを叶えてくれるという意味を持つ如意巻。大神神社の結婚式の際には、古代米の如意巻でお祝いしたこともありました。めでたい雰囲気を演出してくれる如意巻は、お正月の席にも欠かせない一品です。
派手で大仰な伊達巻の演出
戦国武将の伊達政宗。
NHKの大河ドラマでも取り上げられた戦国大名ですが、派手な出で立ちで戦場へ向かう一行の姿は「伊達者」と称されました。そう、伊達巻は派手で大仰なのです(笑) 控えめであっさりしていては伊達巻の名にすたります。
人参やブロッコリーを散らした ”変わり伊達巻”。
日持ちするのがおせち料理のいいところでもあるのですが、如何せん甘過ぎます(笑) そこで、今回は砂糖を少なめに仕上げてみました。鯛の姿焼きやお雑煮もお正月料理の定番ですが、伊達巻もそれに引けを取りません。どこのご家庭でも口にする一品ではないでしょうか。
元来、伊達巻は関東のものでした。関西では巻くことはなく、カステラ状に焼くだけだったようです。仮に巻いたとしても太く巻くことはせず、普通の伊達巻のおよそ半分程度の太さにとどめました。それを観世巻(かんぜまき)と言います。とは言え、やはり太くて大きな伊達巻の方が迫力がありますよね。
春日大社国宝殿に展示される差几帳(さしぎちょう)。
左が差几帳、右が春日若宮おん祭の御旅所祭に登場するだ太鼓です。
だ太鼓は今までにも何度か見たことがあったのですが、さすがに差几帳は初めてでした。春日大社の若宮様は、既に御仮殿から本殿へお戻りになられています。お戻りになられる際、御神霊を覆うために使われたのが差几帳です。芸能集団のお渡り式は大衆の面前で行われますが、若宮様のお渡りは密かに執り行われているようですね。
春日若宮おん祭が終われば、すぐにお正月がやって参ります。毎年変わることのない奈良のタイムスケジュールです。
JR奈良駅の旧駅舎。
今は観光案内所やスターバックスとして利用されています。
お正月のTV番組でも放映されていましたが、伊達政宗は討幕の機会をうかがっていたと言います。
支倉常長を擁した慶長遣欧使節団。隠れキリシタンの勢力を利用して、いつかは将軍の地位にまで上り詰めようとしていた可能性が示唆されます。もしそうだとすれば、さすがに伊達者と言ったところでしょうか。
大正楼客室。
一年の始めは円満に、そして勢いよくスタートさせたいものですね。
今年は奈良市法蓮町にある狭岡神社にも初詣に行って参りました。
初めて訪れた神社でしたが、なかなか雰囲気のある場所にご鎮座なさっていました。県立奈良高校のすぐ近くだったとは・・・ちょっと意外な事実も確認して、改めて奈良の奥行きを感じた次第です。
さぁ、2017年の酉年も始まりました。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます!