年末に入荷したエビスダイ(恵比須鯛)。
キロ3,800円で1.1kgのサイズでした。
エビスダイ属の中では最も大きくなる魚で、姿造りにするとよく映えます。
エビスダイ。
鎧鯛(よろいだい)の異名通り、とても硬い鱗に覆われています。赤い皮目を生かした刺身にするため、鱗はバラ引きにします。辺りに飛び散るウロコは捨てないようにしましょう。エビスダイの鱗揚げはとても美味しく、定番料理の一つとなっています。
えぐるように入る腹骨!あら炊きの材料に
エビスダイの捌き方ですが、普通に三枚おろしで問題ないと思います。
柵取りの際は、割れやすい背身に注意が必要です。三枚おろしにすると分かりますが、エビスダイの背身は自然と割れています。マトウダイのように最初から割れているのです。そういう意味では、表と裏側で計6つに柵取りする方法もありますね。
エビスダイの姿造り。
頭の大きな魚です。
刺身は焼霜や湯霜にして頂くようにしましょう。皮目に旨味が凝縮しています。普通に皮を引いてしまうよりは、見た目も華やかでおすすめです。丸鯵やサザエ、サーモンなども添えて盛り込みます。
エビスダイの腹骨。
太くて丈夫な骨が深い角度で入り込んでいます。
見るからに腹骨をすくい取るのが難しそうです。いきなり深く入り込み、ハラスの辺りでかなり分厚くなっています。
こんな感じ。
真鯛のように均等に腹身を残すのは諦め、骨ごとあら炊きの材料にします。余すところなくエビスダイを味わうには、一番いい方法だと思います。
エビスダイはこのアングルで見るのがいいですね。
可愛い目でこちらを向いています。
ウロコを取る際、えら蓋の際(きわ)が難所でした。
最終的には指でつまんで引っこ抜くのがいいでしょう。
エビスダイの中骨。
背側に白いラインが走っていますね。
頭から尾に向かい、縦に白い線が見えます。割れやすい背身の原因はこれだったのですね。そもそも構造的に割れやすくなっているようです。
焼霜造りの準備をします。
エビスダイは本当に華やかです。
頭がデカい!
歩留まりも決して悪くはないのですが、これだけ頭部が大きいと刺身の取り分が相対的に減るような(笑)
高級魚のエビスダイ。
個体数が少ないため、常に入荷する魚ではありません。
運が良ければ食べられる、そんな貴重な魚だと思います。