真鯛の幼魚「チャリコ」。
いわゆる小鯛のことですが、最近は入手しづらくなりました。おせちの朝食には欠かせない食材だけに、大切に使っていきたいなと思います。
チャリコ。
踊り串に通したチャリコは、新年を寿ぐおせちの主役になります。
おせちの語源
お正月に食べるおせち料理。おせちの語源はどこにあるのでしょうか。おせちの「せち」は節日(せちにち)を意味しています。節日とは、生活の折り目や季節の変わり目などに祝いを行う日を言います。節日(せつじつ)とも言いますが、元旦・白馬(あおうま)・...
チャリコは思った時に入手困難なため、あらかじめ市場に連絡を入れておきました。海から上がったタイミングで ”つぼ抜き” の処理を施し、大晦日まで冷凍保存です。新鮮な状態を保ちながら、焼き床で焼き上げます。
お祝い食材のチャリコ!尾頭付きの真鯛
お客様一人一人にお出しする真鯛。
尾頭付きの真鯛を提供するには、大振りの真鯛ではサイズが合いません。小鯛のチャリコであればこそ、周りの料理も活かしながら主役を張ることができます。
チャリコを真ん中に置いた朝食おせち。
チャリコの周りを栗金団(パプリカ仕立)、ごまめ、赤カブラの鯖寿司大和芋仕立、ローストビーフ、大和茶の岩石玉子、黒豆、クワイの素揚げ等々が並びます。
関西地方ではチャリコと言いますが、関東方面ではカスゴと呼んでいるようです。
地方によって呼び方が異なるのは、方言のような地域性が感じられていいですね。
今年の伊達巻には、柚子の皮を入れてみました。
甘いだけの伊達巻よりも、ちょっとした変化球で面白いかもしれません。
チャリコは小振りですから、そのまま姿寿司にしてもいいでしょう。また次回に試してみようと思います。
昨今は大衆魚のイワシや秋刀魚が獲れなくなったりと、海の資源について考えさせられることが多くなりました。一般市場には出回らない ”外道の魚” にも注目が集まっています。これからは深海魚にもスポットライトが当てられることでしょう。
言わずと知れたことですが、チャリコが成長すれば立派な真鯛になります。そう考えると、とても貴重な食材を頂いているんだなと思います。