還暦祝いのお食事に、赤いビーツの煮物をお出し致しました。
長寿祝いの中でも、”再び赤ちゃんに還る” ことを意味する還暦。
魔除けの願いを込めて赤い産着を身に付けていた昔の赤ちゃん。神社の鳥居の両脇に、赤い前掛けをした狛犬をよく見かけますが、あの赤色にも魔除けの意味合いが込められています。
ビーツと大根の煮物。
白い大根をビーツの赤い色に染めています。
ベタシアニン色素!長寿を祝うアカザ科の火焔菜
ビーツを料理する際、本来は赤い色素が流れ出ないように皮ごと茹でます。
今回は敢えて皮をむいてから大根と一緒に煮ています。還暦を象徴する赤い色を表現した料理に仕上がりました。
明日香村の農産物直売所で購入したビーツ。
その燃えるような赤い色から、火焔菜(かえんさい)とも呼ばれるアカザ科のビーツ。
直売所の方が、ビーツの葉っぱを浅漬けにしたらとても美味しかったとおっしゃっていました。ロシア料理のボルシチで知られる野菜ですが、奈良県内でも収穫されていることに意外性を感じました。
ビーツの皮を剥いてみました。
手に赤い色素が付着します。ビーツ特有の赤い色はベタシアニンという色素から成ります。
ビーツの断面。
自然の美が感じられますね。もうこれだけで萌え断です。
甘味の感じられるビーツの根には、ショ糖が多く含まれています。ビーツはサトウダイコンの仲間とされますが、その土臭さを伴う独特の甘味を持ち味とします。基本的に酢との相性は抜群で、酢漬け料理の材料にもおすすめ致します。
着色料は一切使用しておりません(笑)
あくまでも自然の発色です。かつおと昆布の出汁、それにえんどう豆を煮出した出汁で煮ています。日本料理の食材としても十分に楽しめそうです。
大神神社の参集殿脇にアッツザクラの花が咲いていました。
還暦祝いの色を感じさせるアッツザクラ。ややピンク色がかっていはいますが、新たに生まれ変わる還暦をお祝いします。
以前にも還暦祝いに赤い食材を使ったことを思い出します。「赤サバ」の名で通るハチビキでしたが、ビーツの赤もハチビキの赤もインパクトがあります。
ビーツの葉っぱ。
ビーツ、ビーツと私たちは言っていますが、フランス語では betterave (ベトラーヴ) と言います。地中海沿岸を原産地とする野菜のようで、寒冷地のイメージのあるロシアとは少しかけ離れていますよね。
明日香村から仕入れた時期は初夏の五月でした。暑さを感じる時期でもあり、地中海沿岸というのも頷けるような気がします。
還暦祝いのお食事のご予算ですが、大体お一人様5,000円ぐらいからとなります。
長寿祝いのプレゼントにおすすめしたいのが、日本酒の彫刻名入れボトルです。お好きなメッセージを入れて頂き、お祖父様お祖母様に贈ってみてはいかがでしょうか。はじけんばかりの笑顔と共に、きっとお喜び頂けるでしょう。
長寿祝いのお食事は、奈良県桜井市三輪の料理旅館大正楼にて承っております。