南北朝時代の出山釈迦如来立像

苦行で痩せこけた釈迦如来。

その姿を映した金泥塗の「出山(しゅっせん)釈迦如来立像」を拝観して来ました。

やはりインパクトがあります。少々デフォルメされているのかもしれませんが、その写実的な表現に魅入ります。

出山釈迦如来立像

出山釈迦如来立像。

こんなことを言っては失礼ですが、老いさらばえたご様子のお釈迦様です。悟りを開いて降魔成道に至ったのは比較的若い時期でした。決して老年期ではなかったはずですが、目の前のお釈迦様はそれなりの年齢に見えます。

帯解寺や壷阪寺に足を延ばせば、釈迦の一生を描いた仏伝図レリーフを見ることができます。幾多の試練を乗り越え、悟りを開く様子が手に取るように分かります。

仏伝レリーフに見入る帯解寺
仏伝図レリーフといえば、壷阪寺のそれを思い出すのですが、安産祈願で知られる帯解寺境内にも仏伝レリーフがありました。 帯解寺本堂裏手の新御堂一階の壁面に、釈尊の誕生絵図が浮き彫りにされています。 釈迦の誕生シーンが描かれた...

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腰の曲がったお釈迦様!生々しい仏陀のお姿

正面から見ると、浮き出たあばら骨が印象的です。

頬も痩せこけ、厳しい修行を乗り越えた跡をうかがわせます。それでいて表情は穏やかで、静かに内面を見つめているようです。14世紀南北朝時代の木造立像で、仏陀の生きざまを今に伝えています。

奈良国立博物館『奈良博三昧』

奈良国立博物館の特別展『奈良博三昧』。

至高の仏教美術コレクションと銘打ち、数多くの名品が特別展示されていました。

お釈迦様の迫真の姿から、「さらばえる」という日本語が浮かんできます。

古語にも「さらぼふ」という言葉があるようで、風雨にさらされて骨だけになる意味を持ちます。山中で修行したお釈迦様は、衣食住の環境も極限に近かったでしょう。

私も人生で一度だけ、3日間の断食を体験したことがあります。何より深い眠りに就けたことを思い出します。朝の目覚めもよく、それなりの効果はありました。体の中の悪いものを一旦掃き出し、デトックス効果もあったはずです。お釈迦様の修行とは比べものになりませんが、今となっては疑似体験が出来たような満足感があります。

アパホテル三条通

三条通沿いに建築中のアパホテル。

JR奈良駅から奈良国立博物館へ向かう途中、いつもあるはずの旅館南都さんが見当たりませんでした。どうやらアパホテルが開業予定のようです。馴染みのある風景がまた一つ、三条通から姿を消していました。

出山釈迦如来立像

両手に杖を握り、やや前傾姿勢ですね。

真横から見る出山釈迦如来立像は、如実に苦行のプロセスを語りかけてきます。

出山釈迦如来立像の解説文

出山釈迦如来立像の解説文。

釈迦は6年にわたる苦行の末、山を降りた。その時の瘦せこけた姿をあらわす。禅宗で重要視され、釈迦の成道(悟りを開くこと)を記念する成道会の本尊とされた。絵画は多いが彫像は珍しい。

出山釈迦如来立像

生まれたばかりの誕生釈迦仏もいいですが、悟りを開いた釈迦仏も見ごたえがあります。

生身の人間に近い彫像に触れ、親近感を覚えます。

螺髪を頭上に、印を結んで瞑想する釈迦如来には無いリアリティです。奈良国立博物館、さすがの名品揃いです!

奈良博の伽藍神立像!寺のお目付け役
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