聖者の遺骨を意味する「舎利」という言葉があります。
舎利とはサンスクリット語の「シャリーラ」を音写した言葉なんです。元々は身体を意味する語だったようですが、今日では遺骨を表す言葉として使われています。
薬師寺東塔の傍らに分舎利の様子が描かれていました。
お釈迦様の遺骨のことを仏舎利と言いますが、その仏舎利を求めて8つの部族が争ったと伝えられます。
火葬で荼毘に付されたお釈迦様
仏舎利の争奪戦後、遺骨は八等分することで決着がついたと言います。
お釈迦様は火葬だったんですね。日本では、持統天皇が荼毘に付されたことで知られますが、お釈迦様も火葬だったとは。
仏舎利を持ち帰ったそれぞれの部族は、自国で塔を建てることになります。
いわゆる仏舎利塔ですね。
薬師寺の東塔・西塔。
仏像崇拝の前の舎利崇拝。
金堂に仏像が安置される前は、塔の仏舎利が最重要視されていたわけですね。
お寿司の白い米飯のことを「シャリ」と言いますが、語源はまさしく仏舎利に由来しています。銀飯の艶やかな色形が仏舎利に似ているところから、「シャリ」と言われるようになったいきさつがあります。
ちなみに「シャカリキになる」という言葉も、お釈迦様に由来しているんですよ。
仏教にまつわる言葉も、調べてみると意外に面白いものですね。