東大寺大仏殿の広目天をご案内致します。
四天王の中の一つである広目天。
大仏殿の中に入ると、真正面に東大寺大仏(盧舎那仏)が現れます。
参拝順路は時計方向に回って行くのですが、大仏の次が虚空蔵菩薩、そしてその次が広目天となります。
筆を持っている広目天。
もう片方の手には経典の巻物を持っています。
須弥山の中腹西方に居る広目天は、西の方角を守護する神様です。
四天王寺が四天王信仰の起源
広目天は赤身で甲冑を着た武将とされます。
四天王信仰の起源は、大阪難波の四天王寺にあります。
四天王寺といえば、聖徳太子のお寺で有名ですよね。
東大寺大仏殿の広目天。
勇ましい表情をなさっています。
仏教保護派の蘇我氏と対立した仏教排除派の物部氏。聖徳太子は蘇我氏側に付いて戦いに勝利します。このとき、聖徳太子は四天王に戦勝を祈願したと伝えられます。
須弥山のなかで最も人間界に近い下天には、仏の敵を退治して須弥山を守る四天王がいるとされます。
広目天のお顔。
迫力が感じられます。
須弥山の四方を守る四天王。
その中でも西を守っているのが広目天です。
仏の敵もきっとたじたじでしょうね(笑)
春先の東大寺大仏殿。
東大寺の境内は、いつも修学旅行生や外国人観光客らで賑わっています。
先日のニュースで外国人観光客に人気の観光スポットが発表されていましたが、どうやら人気ナンバーワンは京都の伏見稲荷大社だったようです。朱色に映える千本鳥居が外国人観光客を惹き付けるのでしょうか。もちろん、東大寺も10位以内には入っています。安定した人気を誇る東大寺、といったところでしょうか。
多聞天も安置される東大寺大仏殿
大仏殿の中には、広目天の他にも多聞天が安置されています。
多聞天は毘沙門天の別称ですよね。
筆と経典を持った東大寺大仏殿の広目天は”仏の教えの守り神”です。
そういえばこの広目天、大仏様から見れば西の方向に立っています。
東大寺大仏殿を参拝される際には、見上げんばかりの迫力で迫る広目天立像に着目してみましょう。