10月10日にオープンした東大寺ミュージアム。
なお、この記事は2011年度にオープンした当時の模様をご案内しています。
入館料は500円でした。東大寺南大門をくぐると、すぐ左側にあります。
花喰鳥(はなくいどり)。
東大寺ミュージアムのチケット半券にも描かれていた花喰鳥。今回のミュージアム鑑賞で印象に残ったのが、誕生釈迦仏立像(国宝)とこの花喰鳥です。
正倉院御物の図柄にも描かれる花喰鳥
花喰鳥は東大寺ミュージアムのアイコンと言ってもいいでしょう。
一目でそのブランドを表します。
東大寺ミュージアム前の鹿。
花喰鳥とは、鳳凰などの瑞鳥が花や樹皮をくわえて羽ばたくデザインのことをいいます。
鳥は幸せを運ぶということで、縁起のいい吉祥文様とされています。聖なる動物として古来より崇められてきた鳥は、神社の鳥居にも表れていますよね。鳥居の由来は、その字の如く「鳥が居る」場所という意味が込められています。
人は大空を翔けることができません。
ライト兄弟の初飛行は1903年のことです。人間の長い歴史の中で、どれだけの悲願であったかが伺えます。古代人たちが鳥に抱いていた憧れは推して量るべしなのかもしれませんね。
石上神宮近くの「布留の高橋」も、天(神)へと続く橋がイメージされていたと言われます。
大空への憧憬は、そのまま空を飛ぶ鳥に託されていたのではないでしょうか。空は空(くう)にも通じますからね、どこか仏教の匂いがしてきます。
東大寺ミュージアムのエントランスでも、花喰鳥が出迎えてくれます。
ササン朝ペルシアに起源を持つと言われる花喰鳥。
鳥にも色々な種類があって、鳳凰の他にもオウム、オシドリ、鶴などがデザインされています。万葉集の歌の中にも鶴がよく登場しますよね。日本を象徴するイメージのある鶴ですが、花喰鳥から派生して「松喰鶴」という和様化した文様も生まれているそうです。
東大寺大仏殿の模型。
ご本尊の毘盧遮那仏が安置されている建造物です。
誕生釈迦仏立像と月光菩薩立像のフィギュア。
どちらも国宝です。
まさに東大寺の宝ですね。
飛鳥寺の花会式などでも誕生釈迦仏を拝見しましたが、実に愛嬌のある仏様です。
2体のフィギュアがくるくると回りながらディスプレイされていました。右手を上げたポーズの誕生釈迦仏立像と、背中を向けた月光菩薩立像です。
昨日開館したばかりとあって、入口にはお祝いの花がずらりと並んでいました。
特別展「奈良時代の東大寺」が、平成25年1月14日まで催されます。
こちらは奈良国立博物館。
正倉院展の予告看板にも花喰鳥が描かれていました。
花喰鳥は正倉院御物にもよく見られる図柄のようです。
東大寺南大門の脇に、東大寺ミュージアムの看板が立っていました。
法華堂のご本尊・不空羂索観音立像と日光・月光菩薩立像が東大寺ミュージアムへ引っ越しをして、めでたく開館の運びとなりました。
東大寺ミュージアムの開館時間は、午前9時30分から大仏殿閉門時間までとなっています。館内のトイレもとても綺麗で、清潔感に満ちています。
原則無休で休館日は特別設けられていませんが、ミュージアムの展示替えなどが行われる時は臨時休館となるようです。