各地に伝わる空海が掘ったという井戸。
五條市の集落の中にもありました。国道から少し南へ入った所です。統神社参拝から南へ下り、集落の中へ迷い込みます。新町通りの東に当たるエリアですが、昔ながらの町並みが残り、とてもいい雰囲気でした。
五條のさくら井戸。
井戸がポツンとあるわけではなく、一つの憩いの場のようになっていました。散策の途中で迷い込みましたが、明らかにここだけ異空間です。
弘法大師空海の錫杖で掘り当てた井戸
井戸の名前は「さくら井戸」。
地蔵石仏を祀り、清らかな水の中には鯉が泳いでいました。歩道から段差が付いており、下まで降りて行けるようになっています。休憩用ベンチも置かれ、なんとも不思議な空間です。
花が供えられていました。
地域の方々に大切に守られているのでしょう。
統神社からまっすぐ南へ下ります。
出格子の民家ですね。
振り返ります。
これは犬矢来(いぬやらい)?でも、犬矢来にしては大振りです。所々で同じようなものを見かけましたが、この辺り特有のものでしょうか。道の先に見えているのが統神社の社叢です。
石の祠ですね。
半跏踏下坐(はんかふみさげざ)の石像が覗いています。片足を踏み下げた特徴的なスタイルですが、肝心のお顔がよく見えません。右手に何か持っていますね・・・錫杖でしょうか。やはり弘法大師なのかもしれません。
GOJO MAPのさくら井戸。
弘法大師が水を求められた時、老婆がわざわざ離れた吉野川の水を汲みに行ったので、弘法大師が錫杖で地面を掘って水を出したと伝わる井戸。
弘法大師の優しさから掘られた井戸。
老婆の労に報いる形で、「錫杖(しゃくじょう)」を魔法の杖のように使ったのでしょう。
さくら井戸と言い慣わしていますが、石標には「櫻井」と刻みます。
すぐ近くには天誅組本陣跡の櫻井寺があります。さくら井戸の命名にも、何か関係しているのかもしれませんね。弘法大師空海にまつわる井戸は県内にも多く見られます。今まで見てきたものを、ここに幾つかご案内しておきます。
【弘法井戸】