田原本町に鎮座する鏡の神様・鏡作神社の境内に、笛吹神社と鍵取神社が祀られていました。
笛吹神社。
笛吹神社と言えば、県道30号線の脇田交差点から西へ入る葛木坐火雷神社(かつらきにいます ほのいかづち じんじゃ)を思い出します。
鍵取大明神!鍵を預かる留守番役
葛城市の笛吹神社は、火の神様である火雷大神(ほのいかづちのおおかみ)と、音楽の神様である天香山命(あめのかぐやまのみこと)を主祭神とする古社です。
笛吹神社と鍵取神社が並んで祀られています。
葛城市には笛堂(ふえどう)という地名が残されています。
笛堂は笛吹部の二字化地名ではないかと思われます。笛堂は笛吹神社の神戸だったのかもしれませんね。
笛吹部は笛を吹くことによって、鎮魂の儀に関与していたのでしょう。楽器で音を奏でることによって魂を揺さぶるというか、神様の影向を促すことはよく知られています。仏教の世界においても、平等院鳳凰堂の雲中供養菩薩像は様々な楽器を手にしています。仏壇の木魚や鉦なども同じような役割を果たしているのでしょう。
鏡作神社の拝殿。
なぜ鏡作神社の境内に、笛吹神社と鍵取神社の神が祀られているのか? その理由は定かではありませんが、いわゆる勧請なのではないでしょうか。
鍵取神社。
石川県羽咋郡志雄町に鍵取神社は鎮座しています。
全国各地の神々が、神無月になると出雲へ出張に出掛けます。その際、鍵を預かる留守番役を担っているのが鍵取大明神であると伝えられます。
鏡作神社の参道に建つ常夜燈。
近鉄田原本駅から徒歩15分ほどの場所に、鏡・ガラス業界から信奉を集める鏡作神社が鎮座しています。