高取町のくすり資料館を見学して来ました。
町家の雛めぐりで賑わう土佐街道。観光案内所の『夢創館』裏手に薬資料館はあります。
海鼠壁(なまこかべ)が美しい『くすり資料館』。
呉服店の蔵が改装されているようです。
街道筋の町家や商店に雛人形が展示されるイベントは、今年で第16回目を迎えました。近鉄吉野線の壺阪山駅から徒歩で楽しめます。メイン会場「雛の里親館」には17段500体の雛人形が並ぶ天段の雛がお目見えしていました。少し離れた所にある壷阪寺の『大雛曼荼羅』も必見です。
生薬をひいた薬研(やげん)!薬の町の歴史
土佐街道を歩いていると、足元の石敷きに生薬が案内されています。
ドクダミなど野草の絵が描かれており、ここが薬の町であることに気付かされます。
くすり資料館に展示されている薬研。
薬材(生薬)をひいて粉末状にした道具ですね。
それほど広くはないスペースに薬関係の資料が展示されています。
昔の薬のパッケージなどは、レトロ趣味を心地よく刺激してくれます。
こういう道具を使えば、ひき具合の調整も出来たでしょうね。
高取町の薬の歴史は、西暦612年の飛鳥時代にさかのぼります。
推古天皇が聖徳太子とお供の者を率いて、高取の羽田(現在の羽内)の山野で薬狩りを行ったと伝わります。自然豊かな場所だけに、体にいい生薬もたくさん採れたことでしょう。
おや?
このお方はどなたでしょう。
大和の薬は修験者によって広まったことを考えると、どうやら修験道と関わりのある像なのかもしれません。
町家の雛めぐりでは、様々な雛人形に出会えます。
大きいものから小さいものまで、工夫を凝らしたお雛さんはどれも見所いっぱいです。
口にくわえているのは生薬でしょう。
なかなか目が鋭いですね。
全国各地を行商で巡った売薬トランク。
往時の情景がリアルに蘇ります。富山の薬売りに負けず劣らず、大和の薬売りも活躍していた時代がありました。その名残でしょうか、現在でも置き薬の習慣が奈良にはあります。
ひな人形と言うよりはオブジェですね。
ビッグサイズのお雛さんが出迎えてくれます。
この辺りの住所は高取町上土佐です。
土佐は国号地名ですよね。
昔の高知県の呼び名です。
奈良にはかつて都がありました。全国から奈良に出稼ぎに来た人たちが、県人会のような集まりを持っていたのではないでしょうか。土佐の他にも出雲、飛騨、吉備等々、パッと思いつくだけでも国号地名がたくさんあることに気付きます。
くすり資料館を訪れて、薬の歴史に触れてみましょう。