第96代後醍醐天皇を御祭神とする吉水神社。
400円の拝観料で吉水神社書院に入ると、歴史を感じさせる後醍醐天皇の玉座を拝観することができます。豊臣秀吉が修理したと言われる後醍醐天皇玉座の間は、桃山時代の特徴を色濃く残しています。
後醍醐天皇玉座。
吉水神社の前身である吉水院は、かつて吉野山を統率する修験宗の僧坊として栄えました。
明治時代の神仏分離により、後醍醐天皇の南朝皇居であったことから、明治8年に吉水神社と改められました。山奥の僻地にある吉水院を南朝の皇居とした後醍醐天皇。都の京都を想いながら過ごした日々がうかがい知れます。
世界遺産を見学!義経や秀吉の残り香
吉水神社書院は実に豪華です。
歴史の舞台に登場した偉人たちの足跡を追い、遥かなタイムトラベルを楽しむことが出来ました。
ユネスコ世界遺産に登録される吉水神社書院に入ると、すぐ左手に鶴の描かれた襖絵が出迎えてくれます。
桃山時代後期、狩野山雪作の「群鶴」です。
思わず襟を正すほどの美しさです。
世界遺産登録の吉水神社書院。
左手に見える建物が、日本最古の書院建築として名高い吉水神社書院です。
機械遺産の吉野山ロープウェイを経由して辿り着いた吉水神社。
せっかくここまで来たのだから、ついでに世界遺産の書院も見学しておこうと心に決めました。
源義経と静御前が最後に過ごした場所と伝えられる義経・静御前潜居の間を拝観し、その片隅に設けられた弁慶思案の間に目を移します。
弁慶がこの場所で色々と策を練っていたのかと思うと、悠久の歴史が間近に感じられて不思議な感覚に陥ります。
弁慶思案の間を左手に廊下を回り込むと、行く先には後醍醐天皇玉座の間が控えます。
後醍醐天皇玉座。
南朝4代57年の歴史はここから産声を上げます。
現存する南朝唯一の行宮(あんぐう)が静かに目の前に現れます。玉座とは何とも神々しい言葉の響きではありませんか。HANARARTの際に訪れたJR畝傍駅貴賓室の玉座を思い出しますが、やはりこちらの方がより重厚な印象を受けます。
延元(えんげん)元年に当たる1336年、京の花山院(かざんいん)から行幸された後醍醐天皇。
吉水宗信(よしみずそうしん)の援護の元、ここ吉水院を南朝の皇居とされました。
吉水神社書院には、後醍醐天皇の御物(ぎょぶつ)も数多く展示されています。
その他にも、安土桃山年間における「豊臣秀吉花見の品」等も展示されており、太閤秀吉の一世を風靡した勢いがそのままに感じられます。
吉水神社書院の拝観時間は午前9時~午後5時まで、年中無休となっています。
拝観料は大人・大学生400円、高校生・中学生300円、小学生200円、団体割引は20名以上で1割引が適用されます。吉水神社へのアクセスは、近鉄吉野駅より吉野山ロープウェイで吉野山駅まで約5分、吉野山駅より徒歩約20分となっています。