新鮮なメジナが入荷しました。
脂の乗ったアジも入り、久しぶりに姿造りにしてお出しします。人参や胡瓜の飾り切りも添え、主役のメジナを引き立てます。メジナの旬は晩秋から初春で、そろそろ食べ納めの時期になりました。
メジナの姿造り。
私どもの関西エリアでは「グレ」の名で通っています。
メジナやグレの名前の由来に関しては、下記のページをどうぞご覧ください。
刺身の盛り合わせは華やかな料理です。
姿造りにも色々なやり方がありますが、割と小振りな魚が手に入った場合は”串を刺して高く”盛り付けるのがおすすめです。
縒り人参、さざ波胡瓜の飾り付け!丸い大皿盛り
姿造りに欠かせないのが野菜の飾り切りです。
今回は冷蔵庫にあった人参、胡瓜、ロマネスコズッキーニなどを使います。花形に切った二十日大根(ラディッシュ)や唐草大根(大根葉)も彩りを添えます。
縒り人参とさざ波胡瓜。
桂剥きにした人参を斜めに切り出します。
出来るだけ角度を付け、長めに細く切ります。この際、間に2本ぐらい包丁を入れます。一旦水に放し、すぐ取り出して菜箸で巻き込みます。ギュッと型を付けたら再び水に放します。水に放しておく時間ですが、あまり長くない方がいいでしょう。形が崩れる前に取り出し、盛り付けるまで冷蔵庫で保存しておきます。
左手前に持っているのが、さざ波胡瓜です。
長方形に胡瓜をカットし、長い面の天地を水平に切り出します。俎板に水平に置き、上面から削ぎ切りしていきます。この際、少しだけ根元を残します。3~4回繰り返したら上から順にくるっと巻き込みます。あとはカーブを崩さないように縦にカットしていきます。少しずつずらせば、さざ波が立ったような胡瓜に仕上がります。
刺身のツマも大切ですが、最も重要なのが姿造りの土台です。
飛び跳ねたように魚を盛り付けるわけですが、その土台になるのは大根です。
盛り付けた際にグラグラするのは禁物です。そのため、割と分厚い大根が必要になりますが、大きい魚の場合は長めの長方形に切り出します。小さい魚なら正方形、もしくは円形でもいいでしょう。
頭と尾で別々に二個の土台を用意する時もありますが、尾びれを跳ね上げる姿造りの場合は土台は一つです。大根がもったいない気もしますが、安定感が違います。
さらに串の挿し方も重要ポイントになります。
まずは大根の左端に二本真っ直ぐに立てます。魚の頭部を支える串で、1本の串を半分にカットしたものを使います。真っ直ぐに立てるのが基本ですが、魚の大きさによってバリエーションも生まれるでしょう。その辺りはご自由な発想でお願いします。
次は尾の部分を支える串です。こちらは先に尾ビレの根元に串を挿し、着地点である大根に突き挿します。頭は大根が先でしたが、尾は魚が先です。この方がスッキリ決まると思います。今回は頭と尾を離して盛り付けていますが、オーソドックスな姿盛りは頭と尾を近づけます。
胸ビレを鰓ぶたに挟み込み、活きの良さを強調します。
尾ビレの根元から土台へ向かう際、なるべく中骨は経由しない方がいいと思います。身体をひねらせ、飛び跳ねている印象を受けます。締めた魚などで頭上がグラグラしているものもあり、一概には言えませんが、身体の中心線が湾曲しているように盛り付けるのがベターです。
尾に使う串は1本丸ごとで、頭よりも高くするのがコツです。
大抵の姿造りに共通していると思いますが、コチなどの扁平な魚はどうするのか?試してみないと分かりませんが、遊び心がくすぐられますね。