飛鳥の橘寺は芙蓉の名所として知られます。
9月20日過ぎに橘寺を訪れると、境内には芙蓉の花がたくさん開花していました。
芙蓉の花と本堂(太子堂)。
本堂にはご本尊・聖徳太子勝鬘経講讃像が祀られています。
聖徳太子生誕の地と伝えられる橘寺には、聖徳太子にまつわる寺宝も幾つか残されています。
シオン、ハナミズキ、紫式部!色とりどりの橘寺
橘寺は天台宗に属し、山号を「佛頭山」と称します。
聖徳太子創建七ヶ寺の一つに数えられ、絹本著色太子絵伝(室町時代)、花形柱穴の塔心礎、日羅立像なども知られます。
境内には本堂の他にも、観音堂、聖倉殿、往生院等々の建物が並びます。
本堂前の馬の像も見逃せませんね。
橘寺の黒駒像。
聖徳太子の愛馬と伝えられます。
飛鳥から斑鳩までの出勤ルートを「太子道」と言いますが、その際に太子を背中に乗せていた馬のようです。
橘寺には酔芙蓉の花も咲くそうですが、どれが芙蓉でどれが酔芙蓉なのか・・・イマイチよく分かりませんでした。
酔芙蓉は一日の中で色の変わる花として知られ、午前中は白色、午後にかけてピンク色に染まり始め、夕刻には紅色に変化します。人が酔うと、ほんのり顔を赤らめることから、酔芙蓉という名前が付けられています。
これが午前中の酔芙蓉なのでしょうか。
鮮やかな純白です。
橘寺の二面石。
善悪二相の顔を持つ、飛鳥時代のミステリーストーンです。
向かって左側が悪相、右側が善相という構成。近づいてよく見てみると、確かに右側は善人顔なのかなぁという感じでした。亀石や亀形石造物にも負けないぐらい、どこかユーモラスな印象を受けます。
橘寺観音堂。
本堂右手前に配置されるお堂で、立派な体躯の如意輪観音を祀ります。
芙蓉だけではありません。鐘楼の周りには紫苑(しおん)の花が咲いていました。
紫色が鮮やかなシオンも、境内に実によく映えます。
ハナミズキの実を見つけました。
橘寺の拝観受付で350円の拝観料を納める際、係の方にお伺いしたんですが、芙蓉の少し前までは綺麗なハナミズキの花が咲いていたとのことです。
残念ながらハナミズキの花はもう見ることができませんでしたが、赤い実を観賞する幸運に恵まれました。
二面石から放生池の脇を通って往生院へ向かう途中、今が旬の紫式部を見つけました。
薬師寺の紫式部も綺麗でしたが、ここ橘寺の紫式部も見応えがありますね。
橘寺の西門付近で聖徳太子サブレが販売されていました。
ご当地サブレ、ということでしょうか(笑)
橘寺の芙蓉は実に見事です。
飛鳥寺にも芙蓉は咲いていますが、何せ数が違います。境内の至る所にボリューム満点の芙蓉が咲き誇っています。
こちらも橘寺の名物の一つ。
五重塔の心礎です。
この塔跡から推測すると、現存すれば約38m余りの五重塔が建っていたようです。かわいい形の塔跡ですよね、私はいつもミッキーマウスを連想してしまいます(笑)