平城宮跡歴史公園の朱雀門ひろば。
朱雀門向かって右手前にある「平城宮いざない館」を見学して参りました。
最も印象に残ったのが展示室3の「往時のいとなみ」コーナーです。展示室の真ん中に第一次大極殿の構造模型があり、その周りに工夫を凝らした様々な展示が行われていました。
平城宮いざない館の展示室3。
第一次大極殿の復原にあたって製作された、五分の一の構造模型です。
模型の背後に体験コーナーが設けられていました。組物や瓦葺き、木簡文書作りなどを楽しみながら体験できます。平城宮いざない館の入館料は無料で、普段は修学旅行生などで賑わっているようです。
釘を使わない隅支輪や鎌継!伝統工法を学ぶ人気コーナー
寺社建築の組物。
組物でまず思い浮かぶのが、西大寺鐘楼などでも見た三手先です。三段階に先へ伸びる工法は、複雑にして精緻です。美しいと形容するにふさわしい建築美ではないでしょうか。
「組物」ってなあに?
三種類の組物として、隅支輪(すみしりん)、鎌継(かまつぎ)、隅木(すみぎ)と桁の仕口(しぐち)が図解で示されます。
解説板の真ん前に展示されているのが隅支輪です。
これが隅支輪。
斜め上に立ち上がっていますね。
そもそも支輪(しりん)とは、、折り上げ天井を支える湾曲した竪木(たてぎ)のことを意味します。目の前の部材自体は湾曲していないようですが、その隅っこに取り付ける組物ということでしょうか。
さっそく体験です。
隅支輪の部材を外してみました。
組み合わせる部分はこんな感じです。凹凸でいえば、凸部に当たる部材ですね。
そして、こちらが凹部。
かみ合わせてみると、あら不思議。がっちりと嵌め込まれました。
隅支輪、恐るべし!
続いて鎌継なども体験してみましたが、問題なくつなぎ合わせることが出来ました。まさしく匠の技ですね、奈良時代の工人の知恵に感服します。
こちらは当時の食事の様子ですね。
何を食していたのか、具体的なサンプルと共に案内されていました。
平城宮いざない館で組物を体験したら、さっそく園内の大極殿や朱雀門へ足を運んでみましょう。
巧みな技術によって支えられた歴史的建造物を目の当たりにします。
体験した直後だけに、手に感覚が残っていて学習効果が格段に上がります!