行基菩薩作と伝わる毘沙門天。
融通念仏宗の総本山・大念佛寺の毘沙門堂内に、邪鬼を踏む躍動感あふれる毘沙門天が祀られています。
大念佛寺の毘沙門堂前。
お堂の前には、陰陽五行に由来する五色幕が掛けられていました。毘沙門天の他にも阿弥陀如来坐像、地蔵菩薩半跏像を安置し、両脇壇には十六羅漢や閻魔十王像も合祀しています。
良忍上人創建の毘沙門堂
毘沙門堂を創建したのは、大念佛寺の開基・良忍上人です。
境内案内図によれば、毘沙門堂の建つ場所は塔頭寺院梁松院のすぐ横です。
毘沙門堂の堂内。
デザイン性に満ちた蟇股(かえるまた)が目を引きます。
毘沙門堂の解説。
奥(東側)に四間四面、手前(西側)に棟行(むねゆき)五間、梁行(はりゆき)三間の二つの堂を合わせ持つ建物で、天治2年(1125)、元祖聖應大師(良忍上人)の創建と伝える。現在の堂は寛政11年(1799)、第49世堯海(ぎょうかい)上人の再建である。
中央厨子の本尊毘沙門天は行基菩薩作と伝えるが不詳。両足で邪鬼を踏み、右手に戟(げき)、左手に巻子(かんす;神名帳?)を持つ躍動感あふれる等身大の木造である。毘沙門天は仏法守護の四天王の一つで、多聞天とも称する。良忍上人は永久5年(1117)、阿弥陀仏から、人々が口に念仏を称えることにより、その念仏が相互に融け合い、現世に智慧輝き幸あふれる仏国土が現出するという融通念仏の教えを授与されてのち、洛北鞍馬寺の多聞天王の冥助(みょうじょ)によって、宮中をはじめ広く諸国にこの念仏を勧めて・・・
鞍馬寺の毘沙門天はあまりにも有名です。
京の都を北の方角から見守り続ける四天王として、数々のメディアでも取り上げられています。
大念仏寺の本堂。
本堂前には木製のテーブルと椅子が並んでいました。
「毘沙門天王」の額が掲げられます。
ガラス戸にオリジナル朱印帳の案内が出ています。
本堂売店にて販売中とのことです。
菩薩のお練りをモチーフにしたオリジナル朱印帳です。数量限定ではありますが、非売品のクリアファイルも付いてくるようです。
厳かな雰囲気の堂内。
建物の奥を覗いてみましたが、残念ながら毘沙門天のお姿を確認することはできませんでした。
この仏具は何に使うのでしょうか。
ここは江戸時代末期の建物です。長い年月が積み重なり、様々な想いが伝わってくるようです。
こういうのを木鼻(きばな)と言うのでしょうか。
虹梁(こうりょう)の端っこに取り付けられる彫刻デザインです。
行基が造像したという毘沙門天ですが、機会があればいつか拝観してみたいと思います。