十五夜当日の結婚披露宴。
今年の中秋の名月は9月24日でした。
大神神社では恒例の観月祭が催され、境内は雅な雰囲気に包まれました。観月祭に先立つ正午に執り行われた結婚式。その後、当館大正楼にて披露宴という流れです。午前中に会場を彩る卓上装花が届き、開宴の時を待ちます。
卓上装花のダリアと婚礼料理。
ダリアの右向こうに見える毬(いが)状の花・・・何という名前なんでしょうか?お届け頂いた花屋さんにお伺いすると、手鞠草(テマリソウ)とのことでした。綺麗なグリーンで、装花全体にアクセントを加えています。
よろこびの歌で賑わう宴!受付テーブルの設置
お月見には風情が感じられます。
平安時代の貴族たちは月そのものを眺めるのではなく、水面や盃の酒に映った月を愛でたと言います。逆さ富士や逆さマッターホルンを愛でる感覚と似ているでしょうか(笑) 間接的にワンクッション置いて楽しむところに、心の余裕を感じます。
受付テーブルの盆と袱紗。
新郎様からご依頼頂き、会場手前に受付テーブルをご準備致しました。
磯部産伊勢海老のミモザ風サラダ、鮑の酒蒸し肝餡掛け、蟹の酢の物等々が並びます。
開宴を前に、続々と婚礼料理が運ばれます。
こちらがテマリソウです。
花形がイガ状ですね。テマリソウは ”美女ナデシコ” の園芸品種の一つのようです。撫子と言えば、花形のあの ”ギザギザ” を思い出すわけですが、なんとなく似ているような気もします。
テマリソウの花言葉は「無邪気」です。
純真無垢をイメージさせ、新婚生活のスタートにも相応しいですね。
奈良県といえば、やはりダリア!
秋を代表する花ですが、結婚式の装花としても人気があります。
即席ではありましたが、列席者をお出迎えする受付台です。
昨今は披露宴よりもご親族間の会食が増えており、受付テーブルの設置は珍しくなりました。
帆立と海老のテリーヌ。
お月見を思わせる断面です。一時期「萌え断」という言葉が流行りましたが、今はどうなんでしょうね。断面の美しさを競う料理は、インスタグラムでも人気のようです。
「寿」の文字が入ります。
宴ではバイオリンの生演奏も披露されたようです。
私は厨房に入り浸りでしたので、残念ながらその演奏を聴かせて頂くことができませんでした。
列席者の中には音楽関係の方もいらっしゃったようで、賑やかな披露宴となりました。
プロのミュージシャンが居並ぶ披露宴。
想像するだけで、それはまたとない機会になることでしょう(^^♪
金屏風を背にする高砂席。
一段と華やかな卓上装花です。
新郎新婦様からはこんな風に見えます。
ご会食の間は、お酒を注ぎつ注がれつでゆっくり召し上がって頂く時間も無いかもしれませんね。この日の主役は大忙しです。
緑が鮮やかなテマリソウですが、グルーントリュフ、スパークリンなどの別名があります。
テマリソウの苗が流通するようになったのは、ここ最近のことなんだそうです。栗をイメージさせますから、秋の婚礼シーズンにも持て囃されるのではないでしょうか。
ご近所のお菓子屋さんからは月見団子が届けられた十五夜。
和やかな披露宴の後、列席者の皆様は大神神社の観月祭にお出かけになられました。心に残る素敵な一日になったことでしょう。新郎新婦様、並びにご親族の皆様方、この度はご結婚おめでとうございました!どうぞ末永くお幸せにお過ごし下さい。