大根と人参で開かせる大輪の花。
数ある飾り切りの中でも、紅白花大根は特に華があります。大皿の姿盛りに添えれば、主役の魚が一段と映えます。今回は芯の部分に胡瓜を使ってみました。
紅白花大根。
蝶人参、さざ波胡瓜、水玉胡瓜を添えます。
蝶々をカッティングしながら気付いたのですが、蝶人参は必ずしも半月切りから始める必要はありません。花びら状の円形からでもOKです。偶然の産物でしたが、新たな発見でした。
大根と人参の桂剥きを巻いて作る大輪菊
紅白花大根を作る際、元になるのは大根と人参の桂剥きです。
大根の桂剥きを下にし、その上に人参の桂剥きを敷いて横半分に折り込みます。カーブを描く側に切り込みを入れ、千切り胡瓜を芯にして巻き込みます。巻き終わったら、少し上から押さえて花びらを開かせます。
大正楼中庭。
大根、人参、胡瓜は便利な食材です。いつでもどこでも手に入り、それぞれに色目も違って見た目も華やかになります。
宇治抹茶で琥珀糖にチャレンジしてみました。
寒天で固めて型から抜いたところです。この後、手で一口大にちぎって乾燥の工程に入ります。
思えば今は”梅雨時”。乾燥の進みにくい季節ですので、出来上がりは10日ほど後になるかもしれません。
日本人は菊が好きですね。
天皇の御紋は十六菊花紋で、国の象徴にもなっています。大神神社は天皇ゆかりの神社だけに、境内には菊の御紋が見られます。花びらの一枚一枚が整然としていて、まるで小宇宙を見ているかのようです。
菊は「聞く」に通じると言います。
万民のありとあらゆる声を聞きながら、国を治めてきた天皇。聞し召すという言葉にも、天皇の有難い御心が表れています。
菊花ですから黄色で表現できれば申し分ないのですが、さすがに黄色い食材で桂剥きに向くものは見当たりません。汎用性の高い大根と人参にその役目を担ってもらいましょう。