道の駅レスティ唐古・鍵へ行って参りました。
私が訪れた時には、既に道の駅の駐車場は満車状態でした。仕方なく史跡公園東側の駐車場に車を停め、徒歩で公園内を横切ることになりました。その甲斐あってか面白いものを見つけました!
唐古池南側の高角砲台跡(こうかくほうだいあと)。
太平洋戦争の遺跡とされます。
唐古鍵遺跡は奈良盆地の中央に位置する弥生時代の環濠集落跡です。そんな場所になぜか、昭和の遺跡が残されていました。
掩体や防空壕もあった柳本周辺
唐古鍵遺跡史跡公園のすぐ西側には国道24号線が走っていますが、それと並行するように東側にはJRの線路があります。
JR長柄駅の周辺には、大和神社をはじめとする戦争の痕跡が幾つか見られます。長柄駅から一つ南側の駅が柳本駅で、かつての柳本飛行場の滑走路は線路の西に並行してつくられていました。
確かに八角形ですね。
高角砲を発射した時の衝撃は大変なものだったでしょう。しっかりとした地盤が必要なことは想像に難くありません。
太平洋戦争の遺跡がここにもあった A relic from the Pacific War
この八角形のコンクリート構造物は、太平洋戦争末期につくられた高角砲の台座です。ここから東約2㎞につくられた海軍柳本飛行場を守るために、その周辺に数基の砲台が置かれていました。唐古池堤防上にも多数の高角砲が置かれていたといいますが、唐古池東側堤防とここの2基の台座が残っています。
唐古池の周りには複数の高角砲が置かれていたんですね。
東側にも台座が残っているようですが、今回は見逃してしまいました。次回訪れた時にでも確認してみようと思います。
高角砲イメージ図。
なるほど、イメージしやすいですね。
高角砲台跡の脇から復元楼閣を望みます。
池の周りに木が植えられていますが、これらは桜の木です。春になれば桜の花が私たちを楽しませてくれます。
高角砲と柳本飛行場。
唐古池の東に滑走路が見えます。
飛行場周辺には防空壕や掩体(えんたい)があったようです。
ところで、掩体って何なのでしょう?
かまぼこ型をした掩体壕(えんたいごう)のことは聞いたことがあるのですが、改めて広辞苑を引いてみることに致しました。
射撃を便にし、かつ敵弾に対して射手などの行動を掩護(えんご)する諸設備。散兵壕・機関銃座・砲兵用掩体など。
と解説されています。なるほど、味方を掩護するための諸設備のようです。
柳本飛行場から見て、およそ2㎞西にあった唐古鍵遺跡。
位置的にもちょうど良かったのでしょう、この場所に高角砲が配備されたのも頷けます。
案内板をよく見てみると、纒向石塚にも高射砲台があったようです。纒向遺跡を形成する纒向石塚古墳はよく知られますが、砲台が置かれていたとは知りませんでした。唐古鍵遺跡のように、ピンポイントで”この場所”という目印が残っているのでしょうか。
こんな所で太平洋戦争の痕跡に出会えるとは。
二度と戦争はしない。
改めて心にそう誓わせてくれる貴重な遺跡ですね。