今年も安倍文殊院の桜を見て参りました。
コスモスの名所で知られるお寺ですが、春の桜も見る者を圧倒します。圧巻の桜の海に呑まれ、桜に酔い痴れるひと時・・・国宝の渡海文殊群像、干支を模ったジャンボ花絵、精緻な切石工法の文殊院西古墳など、見所の多いお寺としても知られます。
仲麻呂望郷枝垂桜と本堂。
境内には500本もの染井吉野が咲き誇ります。朱色の表山門から続く参道沿い、本堂前、文殊池周辺などに桜の乱舞が見られます。特に文殊池の畔から見る桜は、金閣浮御堂を背景によく映えます。桜井市内には安倍文殊院の他にも、大神神社、長谷寺、談山神社などの桜の名所が集まっています。
文殊池に浮かぶ仲麻呂堂を背景に開花!
安倍文殊院には金閣浮御堂(仲麻呂堂)があります。
境内の文殊池にぽっかりと浮かぶそのお堂が、実にいいアクセントになっています。花の少ない冬の時期にはパンジー、春には桜、そして秋にはコスモスと、いずれも仲麻呂堂を背景に境内を彩ります。
石燈籠と桜の風景。
左に見えているのが仲麻呂堂です。奉納された石燈籠の数が年々増えているような気が致します。
安倍文殊院の駐車場。
私が訪れた時には、既に多くの車が駐車していました。桜人気の高さがうかがえますね。
駐車場から稲荷神社を望みます。
本堂裏手の高台にある稲荷大明神。その周りにも桜が開花していました。
不動堂の近くにも咲いています。
お堂向かって右側には、文殊院名物のジャンボ花絵が控えています。
決して満開のタイミングではありませんでしたが、それなりに楽しむことができました。
本数が多いと、やはり迫力がありますね。
文殊池の水面に桜の花びらが浮かんでいました。
そこに池があるだけで、散りゆく桜の風情を楽しむことができます。
桜の木の間から仲麻呂堂(金閣浮御堂)を望みます。
向こう岸にもびっしりと桜が咲いているのが分かりますね。
国宝の渡海文殊群像が案内されていました。
ほんの数年前までは重要文化財だった文殊菩薩像です。重文から国宝へ格上げされ、益々注目度も高まっています。重要文化財と国宝の違いは詳しく存じ上げませんが、やはり「国宝」という響きはいいですね。
特別史跡の古墳&ぼけ酒
安倍文殊院の境内には、特別史跡に指定される文殊院西古墳があります。
特別史跡に指定される古墳は、全国広しと言えどもわずか7件です。その内の5件が奈良県内にあり、文殊院西古墳、石舞台古墳、高松塚古墳、キトラ古墳、巣山古墳が名を連ねます。そうそうたる古墳と肩を並べる古墳です。
文殊院西古墳の羨道部分。
玄室内には願掛け不動が安置されていました。巨石を使った、実に精巧な造りの横穴式石室です。
玄室内の側壁。
縦と横のラインが交互に組み合わされています。よく観察してみると、この縦線だけは ”描かれた” もののようですね。一つの大きな石が二つに見えるように細工されています。
反対側のこの縦線もそうでしょうか。
岩屋山式の精緻な横穴式石室ですが、随所に細かな配慮が見られます。
仲麻呂望郷枝垂桜の向こうに文殊院西古墳を望みます。
平成22年11月に、樹齢30年の枝垂桜が奉納植樹されました。文殊院ゆかりの阿倍仲麻呂にちなんで、その名も「仲麻呂望郷しだれ桜」と称します。遣唐使として唐に渡り、故郷の地を思慕した仲麻呂のことを思います。
安倍文殊院のぼけ酒。
大小のぼけ酒が販売されており、大きいサイズの方は4,000円のようです。
安倍文殊院の本堂前には木瓜(ぼけ)の花も咲いており、ぼけ除け霊場としても知られています。
奈良大和四寺巡礼の法衣ですね。
長谷寺、岡寺、室生寺、安倍文殊院が手を取り合う霊場巡り。以前に岡寺を参拝した時にも、同じものを見た覚えがあります。境内のWi-Fi化も同時期に実現したものと思われます。
本堂前の絵馬掛処。
すごい数の絵馬が奉納されていますね。
安倍文殊院ならではの風景です。
仲麻呂堂へと続く橋がまたイイですね。
こちらはパンジー。
桜の季節にもパンジーが咲いているんですね。
本堂斜め前に植樹された仲麻呂望郷しだれ桜。
すぐ近くには、仲麻呂の望郷詩碑や安倍首相の奉納石燈籠も建立されており、安倍一族を感じさせるスポットとなっています。
綺麗に並ぶ石燈籠。
奉納燈籠も文殊院の景色に溶け込んでいます。
実はまだ、仲麻呂堂の中に入ったことがありません。
いつか近い内に、七詣りを実現したいと思います。
今年の桜も堪能させて頂きました。
なかなか遠出が出来ないこの時期、近場で済ませることが多い花見です。私にとっては、車で10分ほどの安倍文殊院は実に有難い花見スポットです。来年も再来年も、また訪れることでしょう。