ユニバーサルスタジオジャパンの所在地でもある大阪市此花区(このはなく)。
此花区の地名はどのように誕生しているのでしょうか。
ちょっと気になったので調べてみると、どうやら難波津の歌に由来しているようです。
此花区のUSJ。
行政区分の此花以外にも、大阪市鶴見区にある鶴見緑地内の植物園『咲くやこの花館』のネーミングも同じく難波津の歌に由来しています。大阪市による若手文化人を奨励する賞の名前も「咲くやこの花賞」と言います。さらには、学校の名前にも ”咲くやこの花” が使われています。
競技かるたの序歌「難波津の歌」
大阪人が好む「咲くやこの花」。
競技かるたにおいては、その開始時に難波津の歌を詠むことが通例となっています。
百人一首の序歌と位置づけられる難波津の歌。
作者は百済からの渡来人・王仁博士と伝わります。序歌は百首の歌のいずれにも属さない特別枠です。その歌の中に、此花区の地名の発端ともなった句が詠まれます。
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難波津の歌は大変有名ですので、どこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか。
難波津に 咲くやこの花 冬ごもり 今は春べと 咲くやこの花
この歌に詠まれる花は梅のようです。
初春に開花する梅の描写は、長い冬を乗り越えた希望に満ちています。
「冬籠り」は「”増ゆ”籠り」のことであり、厳冬期にも着々と命の営みが続いていることを表しています。春の芽吹きは ”張る” 状態を表し、それはそのまま「春」の語源にもなっています。
難波津の「難波(なにわ)」は、海の資源が豊富な「魚庭(なにわ)」から来ています。
難波津の歌は「咲くやこの花」が連呼されているところがいいですよね。
軽やかな韻を踏み、気分が上向きになります。
古今和歌集の和歌に由来する此花区。是非この機会に覚えておきましょう。