神社へお参りする際、拍手の作法はどうなっているんだろうか?って気になりますよね。
大神神社拝殿。
拍手(かしわで)の作法は神社によって異なることもありますが、一般的には二礼、二拍手、一礼とされます。
大神神社の拍手の作法もこれにならい、二礼、二拍手、一礼とされています。
ちなみに伊勢神宮は八開手(やひらで)の8回、出雲大社は四拍手(よんはくしゅ)の4回とそれぞれに拍手を打つ数が異なります。
神葬祭などでは、音を立てない「忍手(しのびて)」という作法もあるようです。
日本に古来から伝わる拝礼作法の拍手。
「柏手」と書くこともありますが、「柏」は「拍」の誤写ではないかと言われています。
悠久の歴史の流れの中で、誤写や転訛によって言葉が違った形で伝えられるのはよくあることですよね。
拍手にまつわるお話
拍手には隠された秘密があります。
古代の食膳では柏の葉が食器として用いられていました。
現代でも柏餅を端午の節句に食べる習慣がありますが、柏の葉は大きいですから食べ物を包んだりするには便利ですよね。
饗宴に登場する柏の葉・・・
柏の葉にちなんで、饗宴そのものをカシワデと表現したり、料理人のことを膳夫(かしわで)と言うこともありました。
宴では手を打って喜びを表しますよね。
拍手(はくしゅ)と柏手(かしわで)の関係が見え隠れしてきます。
石上神宮のある天理市には膳史(かし)という地名の村があります。
地名の由来を辿っていくと、膳夫(かしわて)氏が居住しており、中世にはその氏寺である膳夫寺があったと伝えられます。
奈良県橿原市の藤原宮跡内には、内膳(ないぜん)や膳夫(かしわて)という地名が残されていますが、これらも職種を示す古代地名であると言われます。
宮中に於いて食事を司るお仕事ですね。
神社で拍手を打ちながら、大きな柏の葉っぱとその上に載せられた美味しいお料理が頭の中をよぎります(笑)
宴会の起源が直会にあることを考え合わせると、食と神様というのは本当に深い関係で結ばれているんだなと思います。
人を良くすると書いて「食」。
人というのはズバリ、その人の食べてきたもの”そのもの”である。
食の歴史とはやはり、行き着くところ神様に通じているものなのかもしれませんね。