竹内街道と横大路の起点に鎮座する長尾神社。
大神神社の麓に住まう私にとって、正蓮寺大日堂や八木札の辻を通る横大路は身近な存在です。しかしながら、竹内峠を通って大阪へと続く竹内街道のことはよく知りませんでした。
長尾神社拝殿。
桜井市谷辺りから真っ直ぐ西へ伸びる横大路は、近鉄南大阪線の磐城駅辺りで少し南へ曲がり、長尾神社の所で再び西へと向かいます。そのまま松尾芭蕉の俳句を刻んだ綿弓塚を通り、竹内峠を越えて、はるか難波方面へと続いて行きます。
長尾街道や下市街道も交差する交通の要衝地
長尾神社の鎮まる場所は、東西の竹内街道・横大路のみならず、南に伸びる長尾街道や下市街道、さらには高野街道へも続いています。葛城市観光のイラストマップを広げれば、一目でそれと分かる交通の要衝地です。
長尾神社境内で見つけた交通安全を祈願するプレート。
長尾神社は交通安全の神様として信奉を集めています。
私にとって未体験ゾーンである竹内街道の入口に当たるお社は、古来より多くの人々が行き交う場所であったことがうかがえます。
竹内街道・横大路の幟旗。
横大路には数多くの歴史スポットが点在しています。
JR香久山駅近くの三輪神社、HANARART会場としても盛り上がった八木札の辻、正蓮寺大日堂、高田城址近くにある大神宮の高燈籠、片塩ロータリー近くの長谷本寺等々、見所がいっぱいです。長尾神社から少し南へ足を伸ばせば、親孝行の話に心温まる孝女伊麻旧跡が控えています。
長尾神社の撫で蛙。
狛犬の一種と見ればいいのでしょうか、長尾神社の朱色の鳥居前に佇みます。
初夏の5月を彩る祭典が案内されていました。
5月4日の新緑祭、5日の端午節供祭、月次祭と続きます。
拝殿横の隙間から中を覗いてみます。
何やら祠が並んでいますね。
境内社の厳島神社と、末社の春日神社の案内板。
どうやら弁天さんも祀られているようです。
現代のように道路が整備される以前までは、旅の安全を祈願するために数多くの方が長尾神社にお参りしたのではないでしょうか。車社会になってからは、車のお祓いに訪れる人も多いことでしょう。
若者がマイカーを持たなくなったと言われる昨今、その交通網はインターネット回線に移行しているのかもしれません。世界中に張り巡らされた World Wide Web が、現代の主要幹線道路という捉え方もできます。それはそれでまた、ネット回線のセキュリティ向上を祈願して長尾神社に参拝してみるのも良さそうです。