西日本の長尾姓発祥の地とされる長尾神社界隈。
苗字のルーツを探る旅は、そのまま歴史の根幹へと近づいて行きます。
長尾街道と竹内街道の交差する場所の近くにあった長尾消防車庫。
このまま竹内街道を東進すると、右手に長尾神社の神域が見えて参ります。
大和国葛下郡長尾村が起源
歴史を紐解けば、長尾姓のルーツを大和国葛下郡(かつげぐん)長尾村に見ることができます。
葛下郡とは葛城の下郡の意味で、近世までは「かつらぎのしものこおり」と呼ばれていた地域です。かの司馬遼太郎も、幼少期を葛城市の竹内街道で過ごしており、自身の講演などでは「長尾から竹内に登る坂が実に印象的だった」と述べています。
長尾街道と竹内街道。
日本人なら誰しも、自分の苗字の起源には興味を抱くものです。「藤」の付く苗字の佐藤さん、工藤さん、加藤さんなどは「藤原」姓に由来するなどとよく言いますよね。藤原姓を最初に賜ったのは大化の改新で活躍した藤原鎌足です。明日香村にある鎌足産湯の井戸へ足を運べば、その経緯がよく理解できます。
長尾神社の境内に、長尾神社の縁起が案内されていました。
御祭神の水光姫命は、「体が光って尾が生じていた」と解説されています。三輪山を取り巻いていた大蛇の頭が大神神社で、その尾に当たるのが長尾神社であると言い伝えられます。
長尾神社の鳥居下に佇む撫で蛙。
古代大和15郡の中の葛下郡の総社として信奉を集めた長尾神社。
竹内街道と横大路の起点に当たり、長尾街道や下市街道などの主要な街道も交差する交通の要衝です。長尾神社から横大路を東へ辿れば、近鉄大和八木駅近くの正蓮寺大日堂や八木札の辻へと続きます。人や馬の往来で賑わった往時の繁栄が偲ばれます。
月極長尾駐車場。
近鉄南大阪線磐城駅近くに長尾駐車場という名前の駐車スペースがありました。向こうに見えている杜が長尾神社です。左手には、大阪の阿部野橋駅へ通じる線路が走っています。
西日本各地にお住いの長尾さん、是非一度ご自身のルーツを探しに来られてみてはいかがでしょうか。何か面白い発見が待っているかもしれません。