移築された忍坂古墳群。
近鉄朝倉駅から徒歩5分ほどの”朝倉台2号公園”内に4基の古墳がお引越ししています。その中でも、玄室内に6体分の頭蓋骨が検出された忍坂2号墳は特筆に値します。
忍坂2号墳の横穴式石室。
直径13mの円墳とされ、埋葬施設は南南西に開口する両袖式横穴式石室でした。2号墳の築造時期は6世紀後半~7世紀初頭と考えられますが、1号墳と同じく追葬が行われていたようです。
忍坂古墳群へアクセス!駐車場所はどこ
忍坂古墳群へ向かう際、気になるのが駐車場です。
結論から言うと、専用の駐車場はありません。公共交通機関を利用して朝倉駅から歩くのが一番ですが、とは言えマイカーで向かいたい人もいるでしょう。わずかに路上駐車できるスペースがありましので、併せてご案内しておきます。
移築された忍坂2号墳。
全方位をフェンスで囲われていました。手前の錠を開けて中に入ることは可能なようです。古墳見学のマナーとして、出る際はきっちり閉めておきましょう。
忍坂2号墳の石室上方から見下ろします。
公園の遊具が下に見えますね。人工的な絶壁の上に移築されており、見晴らしは良好です。
朝倉台2号公園。
マムシが出るんですね。これもまた、”古墳あるある”でしょうか。
公園へ上がる石段。
公園前には車道や歩道が通っており、車を停めるスペースは見当たりません。
公園の脇を上がって行く坂道がありました。
周辺は宅地造成により整備された住宅街です。
この坂を登り、登り切った所辺りに路駐できる場所がありました。
写真に写っている車が私の車です。車を降りてすぐ右手に忍坂古墳群がありました。場所が場所だけに、長時間の駐車はあまり宜しくないと思います。車で見学に行く場合は、短時間で済ませるようにしましょう。
天井石が失われた忍坂2号墳。
玄室の奥壁周辺では、須恵器類が出土しているようです。
忍坂2号墳の解説。
昭和50年に外鎌山北麓における大規模な宅地造成に先立って行われた発掘調査で調査された古墳で、墳丘の盛土は流失しているものの、周濠の痕跡から径13mの円墳であることが分かっている。
石室は両袖式の横穴式石室で羨道は既に失われていた。石室内部からは鉄刀・金環・瑪瑙製丸玉・刀子・金銅製責金具・鉄釘などのほかに須恵器・土師器が出土し、6世紀末~7世紀初頭にかけての築造と考えられている。
移築されているということは、一つ一つの石材を解体して組み直しているのでしょうか。
なかなか技術の要ることだと思います。
こうして見ると、結構な高さがありますね。
天井石の失われた石室ならではの体験です。
忍坂古墳群とは何の関係もありませんが、巨大な塚穴山古墳の玄室横から見下ろしたことを思い出します。塚穴山も天井石の無い横穴式石室で、その高さに足がすくみました。塚穴山古墳に比べれば、忍坂2号墳は可愛いものですが似たような体験ですね。
庶民の憩いの場の上手に古墳がある。
奈良県らしい風景なのかもしれません。人の接近を拒むような山奥の古墳もあれば、生活圏内にある古墳もあります。横穴式石室の宝庫である桜井市内でも、様々なタイプの古墳を楽しむことができます。