法隆寺中門の中央柱

王寺方面へと続く車道を北へ曲がると、法隆寺門前の松並木が続きます。

松並木の両側には食事処や土産物屋が軒を連ねます。長い間に渡って開発が制限されていたエリアのようですが、再開発の話も最近耳にするようになりました。松並木の北側真正面には南大門が控えています。南大門といえば金剛力士像を想像するのですが、法隆寺の金剛力士像は南大門よりもさらに北側の、中門両脇に陣取っています。

法隆寺中門

法隆寺中門。

白鳳建築の代表作とされます。

石段を上ると木の柵が巡らされています。中門を入ると、金堂や五重塔のある西院伽藍なのですが、西院伽藍への入口は中門の左手に用意されています。つまり、現在中門は参拝客に開放されていません。

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壁を感じさせる中門の中央柱

普通の門は中央が空いています。

人が行き来するわけですから、その通り道を確保するのは当然のことなのですが、法隆寺の中門をよく見てみるとその中央にも柱が立っています。心理的にストップを掛けられたような印象を受けます。両脇の仁王像に睨み付けられるだけでも畏れ多いのに、物理的にも制限が設けられているようで、仏の道への厳しさを垣間見るような気が致します。

法隆寺南大門から望む中門

法隆寺南大門から中門を望みます。

南大門を額縁に見立て、昔から様々な写真が撮影されてきたポイントです。

建築の際には、南大門より中門に力が注がれる傾向があると聞いたことがあります。より仏様に近い中門に重きが置かれ、参拝客の主な出入口となる南大門は比較的簡素な造りになるというお話です。事の真偽は分かりませんが、どこか納得できるところもあります。ちなみに法隆寺の場合は、中門も南大門もそれぞれ国宝に指定されています。

法隆寺中門の金剛力士像

中門向かって右側の、口を開いた阿形の金剛力士像。

和銅4年(711)の作と伝えられる仏像です。朱色に塗られた塑像ですが、風雨にさらされた結果でしょうか、今ではすっかりその色彩を失っています。高さは3m30cmにも及びますから、中門の下から見上げるとさすがに迫力があります。

遷都の年の翌年に造られた金剛力士像。

法隆寺創建当初のものではありませんが、日本最古の金剛力士像として知られます。

法隆寺中門の賽銭箱

中門には賽銭箱も備えられていました。

法隆寺中門では、中国南北朝時代の建物に見られる人字形の割束(わりづか)や雲斗(くもと)、雲肘木なども見学することができます。

法隆寺西院伽藍前の巨木

法隆寺西院伽藍前の池の畔に巨木が生えていました。

カメラの向こう側に、西院伽藍の拝観出口が見えます。拝観出口には常に係の方が立っておられます。入口と出口を間違える参拝客もおられることでしょう(笑) 団体参拝客なのでしょうか、賑やかに談笑しながら西院伽藍を後にされていました。

法隆寺中門の金剛力士像

こちらは中門向かって左側の、吽形の金剛力士像です。

造立当時は黒に塗られた塑像でしたが、その傷みは激しく、16世紀に顔以外の部分は木造に造り替えられています。

ツーと言えばカー、阿吽の呼吸で法隆寺の聖域を守り続ける金剛力士像。

エンタシスの柱が中央にも一本建てられた法隆寺の中門。物理的に壁を設けているわけではないので、中の西院伽藍の様子をうかがうことは出来ます。中門を通して風も吹き抜け、風通しもいいことでしょう。

でも、そのことが返って ”壁” を感じさせているのかもしれません。

向こうが見通せるだけに、中門の前で ”己を省みる一瞬” が訪れるのです。法隆寺参拝の際には、是非一度この中門の前に立ってみられることをおすすめ致します。