長谷寺の本堂。
国宝建築の燈籠に目をやると、長寿の験(しるし)として知られる蓑亀(みのがめ)が居ました。甲羅になびく緑藻(りょくそう)がその目印です。文様などにも描かれる蓑亀ですが、大変縁起の良い吉祥のシンボルとされます。
灯籠台座の蓑亀。
おや?よく目を凝らしてみると、頭の上に何か乗っかっていますね。これは何でしょうか。
鶴は千年、亀は万年と申します。元々、長生きで知られる亀のことです。六角形の甲羅の文様も、縁起のいい亀甲紋!お醤油のキッコーマンの名前の由来にもなっていると聞いたことがあります。
賓頭盧尊者の近くで見守るミノガメ
蓑亀の見学ポイントは賓頭盧さんのすぐ近くです。
撫でた箇所が良くなると伝わる賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ)ですが、その斜め前に位置しています。長谷寺へお参りの際は是非、藻の付着した亀にも手を合わせておきましょう。
本堂の大悲閣。
迫り出した舞台には多くの観光客が集います。
本堂内では御本尊の十一面観音と対峙することができます。大きなおみ足に触れる結縁体験は、春秋の特別拝観時期に限られますが、尊顔を仰ぐだけなら普段の参拝でも可能です。同じく観音霊場である京都の清水寺ですが、今は舞台の改修工事が行われています。清水の舞台を体感できない今、長谷寺の存在価値も高まるというものでしょう。
ちょうど賓頭盧尊者の方を向いています。
かなり長い緑藻をなびかせます。
余韻を残すこの流れに、古来より幾多の願いが託されてきたのでしょう。
長谷寺の賓頭盧尊者。
一度は釈迦の教えに背いた修行者と伝えられます。
内陣に入ることを許されず、どこのお寺でもその外陣に坐しています。
只今、長谷寺では日本最大の掛け軸とされる大観音大画軸が開帳されています。特別開帳の期間は3月1日~5月31日までです。この機会に是非、奈良の長谷寺を訪れてみませんか?