小さく白い花を咲かせる姫空木(ヒメウツギ)。
長谷寺五重塔から本坊方面へ下りて行く途中に、姫空木が花を咲かせていました。まだ蕾の状態のものも数多く見られ、近づいてみると雪が降っているかのような錯覚に陥ります。
長谷寺の姫空木。
綺麗ですね。開花を待つタイミングに出会えてラッキーでした。お米に圧力をかけて膨らませる、あのポン菓子にもどこか似ています(笑) よく見てみると、姫空木の葉っぱは鋸状をしているようです。
姫空木の花言葉は秘密・古風
ユキノシタ科に属する姫空木。
空木(うつぎ)に似ていて、花のサイズが小さいことに由来する名前です。
姫空木は落葉性低木で、枝の芯が空洞になっています。旧暦4月頃の卯月に花を咲かせることから「卯木」とも言われます。日本各地の山野に自生し、高さは1~2mほどになります。花は白色の五弁花で、観賞用や生垣などにも利用されています。
空木の材質は極めて硬く、木釘にも用いられることがあり、その枝葉の煎汁は黄疸に効くとも伝えられます。
袈裟を掛けたお坊さんが姫空木の案内をしていますね。
うつぎの中でも小型種のため姫うつぎといわれる。小さな花をやや下向きにつける。
と、説明書きにあります。
やや下向きに花を付けるからなのでしょうか、その花言葉は「秘密、古風、潔白」とされます。
長谷寺十一面観音との結縁を済ませ、本長谷寺の銅板法華説相図を拝観します。
美しい五重塔を仰ぎ見た後、本坊へと続く階段を下って行きます。
左手に見えている建物が六角堂(写経殿)で、右手に姫空木の叢生が見られます。
長谷寺の幟を立てる突起ですね。
向こうに国宝の本堂を望みます。本堂横の大黒堂の右手を登って行くと、弘法大師御影堂、本長谷寺、五重塔へと続きます。
長谷寺の牡丹と登廊。
姫空木の開花は牡丹の花とも重なります。艶やかに咲く百花の王様・牡丹に対し、慎ましやかに咲く姫空木。その対比がまた、姫空木の存在を印象付けます。
うん?
花を開いた姫空木に何か止まっていますね(笑) ハエでしょうか、虻(あぶ)なのでしょうか?姫空木の花に近付いておきながら気付かなかったのですが、いい匂いを解き放っていたのかもしれませんね。
日陰でも問題なく生育する植物のようです。
万葉集にも24首詠まれていると言いますから、古来より日本人に愛されてきた花なんですね。
長谷寺本堂の裏側。
裏観音を覗き込む場所の近くに、これは輪宝なのでしょうか。普段は見過ごしてしまいそうですが、ふとした拍子に面白いものを発見致しました。
花のみてらとはよく言ったものです。
牡丹のみならず、初夏の長谷寺境内には御衣黄桜、ベニバナトキワマンサクなどの花も見られます。梅心院の近くにはオオデマリ、本坊前庭ではヤマブキなどを楽しむこともできます。文人墨客が愛した西国三十三所観音霊場の長谷寺。初夏の長谷寺境内には、実に様々な花が咲き誇ります。