天理市岸田町薬師に鎮座する雅宮神社。
柳本の防空壕を見学した後、東へ向かって歩いていると右前方に社叢が見えました。鎮守の杜かもしれないと思い、目指してみることにしました。
雅宮神社拝殿。
「雅宮」と書いて雅宮(まさみや)、もしくは雅宮(わかみや)と読むのでしょうか。
天押雲根命を祀る雅宮神社
ここからさらに東方に、大和稚宮神社(おおやまとわかみや)があります。
大和神社の摂社であり、御旅所としても知られるお社です。大和稚宮神社の境内には歯定神社もあります。長い歴史の中で書物の誤写はよくあることですが、稚宮が雅宮に書き換えられているのかもしれませんね。
「雅宮神社」の社名を掲げます。
雅宮神社の御祭神は三柱で、天押雲根命(あめのおしくもねのみこと)、天兒屋根尊(あめのこやねのみこと)、蛭子神(えびすのかみ)を祀ります。
アメノコヤネなど、春日神の名前が並びます。天押雲根命(アメノオシクモネノミコト)も祀ることから、雅宮とは「春日若宮」のことなのかもしれませんね。
雅宮神社の石鳥居。
入り組んだ岸田町の集落内に建ちます。
柳本の防空壕址。
岸田川の両岸に一基ずつ、計二基の防空壕が残っていました。かつてこの辺りには柳本飛行場があったと言いますが、戦争の痕跡を目の当たりにします。
雅宮神社鳥居脇の石仏群。
おそらく周辺から集められたのでしょう。宝篋印塔のようなものもありました。
境内社の庚申石。
堂々とした太い注連縄で結界が張られます。
雅宮神社の本殿。
拝殿の奥に祀られていました。崇拝の対象は、春日大社に出現したという神様なのでしょうか。
雅宮神社から五智堂方面へ向かって帰路に就きます。
JR万葉まほろば線の線路西側に朱色の鳥居が建っていました。線路を渡った東側には、二つの大きな池があります。五智堂はその南方に当たります。
西から見る長岳寺五智堂。
道路突き当りの、真正面に一本足のお堂が建っています。この位置から見ると、「真面堂」と呼ばれるのもうなずけますね。
真面堂(まめんどう)は ”豆のように小さいお堂” という意味も含まれているようですが、やはりその立地に起因しているのでしょう。
防空壕メインの散歩でしたが、その帰り道に新たな神社との出会いがありました。