布留の高橋とハタの滝

万葉集にも歌われている布留の高橋。

全国各地に高橋姓は数多く分布していますが、全国の高橋さんの源流とも言われます。

布留の高橋

布留川に架かる「布留の高橋」。

石上神宮から徒歩5分ほどです。

山の辺の道の北ルートを辿れば、すぐに見つけることができます。

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石上神宮から山の辺の道北ルートを経由!伝説の橋へ

布留の高橋への行き方を簡単にご案内します。

まずは石上神宮にお参りしてから向かうことになります。

石上神宮の自転車ラック

石上神宮の境内に自転車ラックがありました。

木製のサイクルラックで、神さびた境内によく合います。

布留の高橋

布留の高橋。

場所は石上神宮の楼門から東へ100m余りの所にあります。高橋と言うだけあって、橋の上から下の布留川を見下ろすと、ゾッとするような高さです(笑)

石上神宮楼門

重要文化財に指定されている石上神宮の楼門。

楼門向かって右側の道を真っすぐに進んで行きます。鬱蒼と生い茂る神宮の杜を抜けると、布留の高橋を案内する道標と地図があります。

白河溜池4.2㎞

白河溜池まで4.2㎞と出ています。

英語表記の他に、ハングル文字でも案内されていました。

布留の高橋周辺地図

布留の高橋の周辺地図。

もうすぐ布留の高橋へアクセスすることができます。ここから少し下り坂ですね。

布留の高橋の道のり

二手に道が分かれていますが、ここを左へ下ります。

布留の高橋の道案内

そう、ここがポイントになります。

布留の高橋へアクセスするには、やや心細い方の道を選びましょう。右へ行かず、左方向へ下ります。

白河池の道標

白河池の方向へ下って行きます。

彼岸花

秋に訪れると、なだらかな坂道にはヒガンバナが咲いていました。

布留の高橋の万葉歌

布留の高橋を詠った万葉歌ですね。

石上 布留の高橋 高高に 妹が待つらむ 夜ぞふけにける

まだかまだかと爪先立ちで背伸びをして恋人を待つ情景が目に浮かびます。布留の高橋が高いように、背伸びをして待つ妹(いも)の姿。文字通りの高い橋なのですね、布留の高橋は・・・

布留の高橋

しばらく進むと、ありました、ありました! 布留の高橋が!

何とも普通の、鄙びた雰囲気の橋です。

布留の高橋

ここを渡ります。

山の辺の道を踏破する際、必ず通るルートになっているようです。

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ハタの滝!石上神宮の祓殿

石上神宮の上手にある布留の高橋。

その昔、上半期を締める「夏越大祓」の際、ここまで神剣が渡御していたと伝わります。

布留の高橋からの眺め

布留の高橋から下を覗くと、これは高い!

なかなかの高所です。川の流れにも勢いを感じます。

よ~く見てみると、左右に二つの滝がありますね。二つ合わせて、「ハタの滝」と呼ばれているようです。向かって左側が本流、右側が支流です。滝壺へと落ちる落差の点では、むしろ支流の方が迫力があります。

布留の高橋

何やら梯子のようなものが見えます。

あの梯子を伝って、下を流れる布留川まで降りて行くのでしょう。ハタの滝の近くまで行き、マイナスイオンを浴びるのもいいですね。

ハタの滝

ハタの滝の案内板。

この場所には、布留川本流(向かって左側)と支流(向かって右側)の二つの滝があります。

江戸時代に描かれた石上神宮の絵図には、この場所に「祓殿(はらへど)」があったと書かれており、かつて6月30日の夏越大祓式の際には、この場所に神剣が渡御していたとのことです。

「ハタの滝」は、布留川の上流にある「布留の滝」(現在の桃尾の滝)と共に神社にとって、とても神聖な場所でした。

本流の滝には大きな滝壺があって、夏になると近くの子供たちが水浴びをしました。

下流には布留遺跡があり、布留川は旧石器時代の昔から、流域の人々の命を育み生活を支え続けてきた川ということができます。

この現在の「布留の高橋」は、近年に架けられたものです。

布留の高橋 ダム放流注意

ここから3㎞ほど上流に天理ダムがあるようです。

ダムの放流による増水に注意が呼び掛けられています。

歴史に名を残す布留の高橋。

近世に架けられたため風情こそ感じられませんが、紛れもなくネームバリューのある橋です。

布留の高橋

高橋の苗字の由来にもなっている高い橋。

出所はここ、布留の高橋とする説が有力です。

石上神宮は物部氏ゆかりの神社ですが、高橋姓も実は物部氏の流れで、大和国の高橋邑(むら)という地名から名付けられています。高い橋は橋の他にも、梯子のことも意味していたようです。

つまり、神々が住まわれる天へと続く梯子のことです。

石上神宮の神鶏

神様の使いとされる鶏。

石上神宮の境内で放し飼いにされています。

空を飛べない鶏は、天へ架ける梯子が欲しかったのではないでしょうか(笑) もちろん、天へ梯子を架けることなど、現実的には無理な話です。そこで、長い木の柱を神聖な場所に見立て、神を祀って祈りを捧げたと言われています。

石上神宮の七支刀

神話の世界に彩られた石上神宮。

国宝の七支刀が古代から蘇ります。

布留の高橋と彼岸花

布留の高橋の袂に咲くヒガンバナ。

日本三景の天橋立ではありませんが、人の想いというのは時代を超えて変わらないものなんだなとつくづく感じます。

山の辺の道北ルートの道標

山の辺の道の北ルート道標。

石上神宮ご参拝の際は、是非「布留の高橋」まで足を伸ばしてみましょう。楼門からわずか5分余りでアクセスすることができます。

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