昔の家庭には唐臼(からうす)と呼ばれる精米道具がありました。
玄米を白米と糠に分ける精米作業は、主に女性が担当する仕事とされていたようです。
安堵町歴史民俗資料館に展示されていた唐臼。
昔の人の暮らしぶりを間近に見ることができ、大変有意義な時間を過ごすことができました。
安堵町歴史民俗資料館の灯芯引き
極楽寺や額安寺を参拝した帰りに、安堵町歴史民俗資料館に立ち寄ってみました。入館料は大人200円。大学生・高校生が100円、中学生・小学生が50円となっています。安堵町歴史民俗資料館の入口。安堵町役場から程近い場所に資料館はあります。観光名所...
体を動かしながら作業する!一昔前の日本にタイムスリップ
現代の生活では、漬物などで重用する ”糠” を身近に感じることができなくなりました。
昔の人は各家庭において、てこの原理を利用しながら白米と糠に分ける作業を行っていたのです。
唐臼の踏み板の部分です。
この上に乗って体重をかけるのでしょう。先っぽが伸びていて、より梃子(てこ)の原理が生かされるようになっています。生活の知恵ですね。
体を動かしながら料理する。日々の作業の中で、理想的な健康生活が維持されていたのではないでしょうか。
こちらが反対側の杵の部分ですね。
窪んだ箇所の臼に、様々な食材を置いて作業が行われていたものと思われます。
安堵町といえば、極楽寺の広島大仏を思い出します。
原爆投下後の広島で、人々の心の拠り所となっていた仏様です。
唐臼は精米道具としてだけでなく、様々な用途に使われていました。
大豆を磨り潰してきなこを作ったりもしていたようです。
昔の家屋にこんな風に置かれていたであろうというシチュエーションが再現されています。タイムスリップしたような感覚が、資料館での滞在時間を引き延ばします。
天秤式の臼は「カラス」とも呼ばれていました。
安堵町の伝統産業である灯心引きにばかり目が行きがちですが、唐臼のように昔はどこの家庭にもあった道具にこそ注目してみたいものです。
なんだかほっとする資料館です。
様々な分野で機械化に至るまでの人の営みに触れてみる。これはとても貴重な体験と言えるのではないでしょうか。