初夏は豆の美味しい季節。
飛鳥ウォーキングの途中、烏野豌豆(からすのえんどう)の姿をあちこちで見かけました。莢(さや)を使ってピーピー鳴らすこともできるカラスノエンドウは、昔から子供の遊び道具としても人気があります。
カラスノエンドウと甘樫丘。
マメ科ソラマメ属の烏野豌豆(からすのえんどう)。
茎に巻きひげがあるのが特徴です。その豆果は緑色から黒色に変わり、種子を弾き飛ばすために晴天の日に裂けることで知られます。
カラスノエンドウの名前の由来
種子を飛ばし、次なる生命へと繋いでいく営みはカエデの種子にも通じるところがありますね。
綺麗な花の向こうに飛鳥寺の堂宇を望みます。
飛鳥寺の西側にはいつも綺麗な花が咲いていて、毎回足を運ぶのが楽しみな場所の一つでもあります。
こちらが黒くなったカラスノエンドウ。
豆果が弾け飛ぶ前の段階のようです。カラスノエンドウの名前の由来は、この黒くなった豆果にあると言われます。烏(カラス)の黒を思わせるところからネーミングされたようですね。
カラスノエンドウよりもさらに小さい豆に、「雀野豌豆(すずめのえんどう)」という種類があるようです。食用にもなることからカラスノエンドウという名前はよく聞きますが、スズメノエンドウとは初耳です。スズメノエンドウもいつか是非見てみたいものです。
飛鳥寺前に咲く花。
何と言う名前の花なのでしょうか、思わず写真に撮ってみたくなる美しい花です。
川原寺跡から飛鳥川沿いを通って弥勒石へと向かいます。
その途中にもたくさんのカラスノエンドウが密生しています。とても長閑な風景ですね。
飛鳥寺門前に佇む入鹿の首塚。
供えられている花は黄菖蒲でしょうか。
莢に蔓が巻き付いていますね。
自然の力を感じさせる一コマです。
何気ない飛鳥の風景。
古代の飛鳥人たちも同じような風景を見ていたのではないだろうかと想像すると、命を繋いできたカラスノエンドウの逞しさに触れたような気がします。