飛鳥のヒガンバナを見に行って来ました。
9月の中旬ということで、満開にはまだ少し早かったようです。
飛鳥のヒガンバナ。
場所は明日香村の橘寺周辺・・・田圃の畔には、匂わんばかりの妖艶な美しさが解き放たれていました。
ヒガンバナの別名を曼珠沙華(まんじゅしゃげ)といいます。
天上に咲く赤い花
曼珠沙華とは、梵語で「天上に咲く架空の赤い花」を意味します。
確かにこの世のものとは思えない美しさです。美しい花には”毒”が感じられますが、実際のところ、ヒガンバナにも有毒成分が含まれています。
畔や土手に咲いている理由として、有害生物から作物を守る役割があるとされます。
ヒガンバナの向こうに、聖徳太子生誕の地として、綺麗な芙蓉の花でも知られる橘寺を望むことができます。
橘寺の北方には、首を垂れる稲穂の脇にヒガンバナが咲いています。
主食であるお米を守ってくれているのでしょうか。目で見て楽しむばかりではなく、実益性も兼ね備えているようですね。
ヒガンバナの開花時期
明日香村のほぼ全域で見られるヒガンバナですが、特に稲渕の棚田、石舞台周辺、橘寺の周辺がおすすめです。
開花時期は9月下旬から10月上旬にかけて。
国営飛鳥歴史公園では、珍しい白い彼岸花を楽しむこともできます。
真っすぐに伸びた茎の上に花を付けるヒガンバナには、不思議と葉っぱは見当たりません。
時期的にちょっと早かったためか、開花前のヒガンバナにも出会えました。
まるで早春の土筆のように、地面からニョキッと茎だけが伸びていました。茎の先っぽにはヒガンバナの蕾が・・・あちらからもこちらからも、ニョキニョキッと天に向かって真っすぐに伸びている茎を見ていると、妙に微笑ましい気分になって参ります(笑)
艶やかな花にばかり目を奪われがちなヒガンバナ・・・開花前のヒガンバナの愛らしい姿です。
石舞台地区のススキの根元にはナンバンギセルも咲いていました。
ススキの横には萩も咲いています。
万葉集の中で最も多く詠われた萩は、ヒガンバナよしも少し早目の9月中旬頃から見頃を迎えます。10月になればコスモスも咲き始めます。
いよいよ、飛鳥の花暦から目が離せなくなってきましたね。