椿の名所として知られますが、その右隣りに神宮寺の慈恩寺があります。境内には阿弥陀堂と地蔵菩薩を祀る祠がありました。阿弥陀堂の前に、立派な巨樹が命を繋いでいます。
慈恩寺のケヤキ。
昭和47年10月2日に、奈良県保護樹木に指定されています。
巨木めぐりが好きな方には是非おすすめしたい場所です。山の辺の道の正規ルートから外れ、黒崎方面を目指せば慈恩寺に辿り着くことができます。
雷の落ちた木!桜井市が誇る巨樹
慈恩寺ケヤキの樹齢は850年余りだそうです。
「阿弥陀寺のケヤキ」、「雷の落ちた木」とも言われ、地元住民に親しまれてきました。道に迫り出す格好で枝を伸ばし、なかなか迫力のある巨木です。
阿弥陀堂前から見るケヤキ。
根元周りの緑が綺麗ですね。槻(けやき)の横には、たくさんの石仏が並んでいました。
慈恩寺阿弥陀堂。
右手には水子・子育地蔵菩薩の祠が見えています。
慈恩寺は南北朝時代、南朝支配下にあったお寺です。南北朝の争乱期に廃寺になり、今は阿弥陀堂を残すのみとなっています。堂内には来迎印を結び、結跏趺坐する阿弥陀如来が安置されます。
阿弥陀如来坐像(市指定)の案内板。
像高87cm。檜材の寄木造、漆箔仕上げの像は来迎院をあらわし結跏趺坐する。均整の取れたプロポーション、適度に肉付けを盛る優美温雅な作風は、平安時代後期各地に広まった定朝様の作例のなかでも、正統を継承する遺品である。像本体の制作は12世紀前半とみられるが、台座・光背及び現在の両脇侍像は後補である。
道路側からケヤキを見上げます。
二本の丸太で支えられていました。
慈恩寺の行き方ですが、この日私は山の辺の道の金屋ルートを歩いていました。
海柘榴市観音を過ぎ、仏教伝来地碑から橋を渡って桜井駅へ向かうのが正規ルートです。ところが今回は、初瀬川を渡らずに左へ取ります。そのまま道なりに歩いて行くと、やがて桜井市給食センターが見えてきます。給食センターを左に見ながら三輪山麓を進み、そのまま椿山~慈恩寺の集落へと入って行きます。
水子地蔵、子育地蔵も祀られていました。
三輪山麓には大神神社の摂末社が数多くあります。玉列神社まで足を延ばすことは稀ですが、ケヤキの健康状態をチェックするために時々訪れたいですね。