燕ダンスに市庭古墳!平城宮いざない館

平城宮跡のガイダンス施設『平城宮いざない館』。

玄関からすぐ左手に、平城宮跡歴史公園の見所を案内する「平城宮跡のいま」コーナーがあります。入口を入ると、真ん前のロビーにはタブレット貸出場所もありました。受付の方がすぐにガイドマップを手渡して下さり、その対応の早さに感服します。

平城宮いざない館展示室1

「平城宮跡のいま」は展示室1に当たります。

館内には展示室1~4の他にも、休憩コーナー、多目的室、企画展示室、図書コーナーなどが設けられています。ロビー奥の通路には、往時の井戸枠も展示されていました。

市庭古墳を見学!平城天皇楊梅陵
平城宮跡の大極殿北方にある市庭(いちにわ)古墳。5世紀前半の前方後円墳です。平城宮造営の際、南を向く前方部が削平を受けています。今は後円部の一部を残すのみですが、復元すれば全長253mにも及ぶようです。市庭古墳(平城天皇陵)。宮内庁管轄で「...

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平城宮跡の葦を寝床にする燕!前方部が削られた市庭古墳

展示室1に足を踏み入れると、左手前に平城宮跡の映像が流れていました。

しばらく大型スクリーンの前に腰掛け、平城宮跡の歴史や全体像を学びます。このぼんやりした時間がいいですね。

朱雀門

平城宮いざない館の玄関前から朱雀門を望みます。

この日は ”ほぐほぐ祭り” の開幕前で、既に朱雀門前には多くのテントが建っていました。

朱雀大路の映像

ワイドな朱雀大路が真っ直ぐに伸びています!

ちなみに平城宮いざない館のロビーは、坪内道路(奈良時代の道路)と位置や道幅を揃えています。平城京の都市計画が感じられる ”遺構表示” になっている点にも注目です。

さて、映像を見終わって展示室内へと入ります。

足元には広大な平城宮跡の平面図が描かれていました。

ツバメのねぐら入り

こちらはツバメの大群!

ガイドの方のお話によると、復原事業情報館の西側に広がる葦(ヨシ)にツバメが集まって来るそうです。

時期は夏の終わり頃です。

8月中旬から9月頭にかけて、ヨシが生い茂る一角に燕の大群が見られます。時間帯は早朝と夕方で、空が真っ黒に染まるほどなんだそうです。家々の軒先で育ち、無事に巣立ったヒナと親ツバメが、越冬のため南国に飛び立つ前に平城宮跡に集います。燕のねぐら入りと呼ばれる現象で、奈良の晩夏の名物になりつつあります。

葦の上方は垂れ下がっているため、その下に隠れるように止まって寝るそうです。下からはイタチなどの小動物が狙っているため、ちゃんと葦に止まって寝るのだそうです。人間には出来ない離れ業ですね(笑)

市庭古墳

こちらは第一次大極殿から北東方向にある市庭(いちにわ)古墳。

宮内庁は平城天皇陵としているようですが、崩御年とは全く時代の合わない出土品も確認されており、現在では5世紀の巨大前方後円墳と考えられています。平面図からも分かるように、どう見ても円墳ですよね。つまり、平城宮造営の際に前方部が削られてしまったのです。平城宮と市庭古墳には、切っても切れない深い関係があったようです。

復原工事情報

整備中の復原工事情報などが展示されていました。

まさに「平城宮跡のいま」を伝える ”最新情報” が届けられます。

四神

都の四方を守る四神。

平城宮のある場所は、四神の観点からも理想的な立地とされます。

飾り金具

煌びやかな飾り金具。

「尾垂木先金具」と記されています。

木の切り口や繋ぎ目などを、雨風から守る役割も担った金具です。

朱雀門

朱雀門ですね。

装飾性に富んだ組物も、時代を超えて私たちに語り掛けてきます。

尾垂木先金具

くるくると先っぽの丸まった意匠。

蕨手や唐草文様にも通じるデザインですね。

ボランティアガイドさんの話の中で、池の話が出て参りました。

平城宮跡周辺には佐紀池水上池などの池があります。当時の都には多くの人が集っていたため、飲料水としても使われていたのではないかと教えて頂きました。平城宮いざない館では食生活も含め、人々の暮らしにもスポットが当てられています。

今まで知らなかった平城宮。

新たな知見を得るにはもってこいの施設です。入場料も無料ですので、是非おすすめしたいと思います。

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